Amor Op.68-5 TrV 235 Sechs Lieder nach Gedichten von Clemens Brentano |
アモール クレメンス・ブレンターノの詩による6つの歌曲 |
An dem Feuer saß das Kind Amor,Amor und war blind; Mit dem kleinen Flügel fächelt In die Flammen er und lächelt, Fächle,lächle,schlaues Kind! Ach,der Flügel brennt dem Kind! Amor,Amor läuft geschwind. O wie ihn die Glut durchpeinet! Flügelschlagend laut er weinet; In der Hirtin Schoß entrinnt Hilfeschreiend das schlaue Kind. Und die Hirtin hilft dem Kind, Amor,Amor bös und blind. Hirtin,sieh,dein Herz entbrennet, Hast den Schelmen nicht gekennet. Sieh,die Flamme wächst geschwinde. Hüt dich,hüt dich vor dem schlauen Kind! |
炎のそばにその子は座っていたよ アモール、アモール 目の見えない子供 小さな翼であおいでいるよ 炎を そして笑ってる あおいでる、笑ってる、いたずら小僧め! ああ、翼が燃えてるよ この小僧の! アモール、アモール 急いで駆けてゆく ああ、なんてこの火は熱いんだ! 翼をばたつかせ 彼は大声で泣きながら 羊飼いの娘の膝へと逃げ込むのだ 助けを求めて叫びながら このいたずら小僧は それで娘はその子を助けるけれど アモール、アモールは ずるくて盲目だ 娘さん、ご覧よ、あなたのハートが燃えてるよ この悪党のことを知らなかったんだね ご覧よ 炎がどんどん燃え盛るのを あなたも気をつけなさい 気をつけなさい この悪い子に! |
作品68の第5曲はコロラトゥーラの技巧がばりばりに活躍する面白い曲です。第4曲と同じ戯曲「アロイスとイメルデ」の中の歌で、歌われているのは愛の神様キューピッド。きらめくソプラノの高い声はまるで燃え上がりながら揺らめいている炎のよう。ソプラノのエディタ・グルベローヴァの絶妙な歌で聴くと実に鮮烈です。彼女はこのOp.68がお得意のレパートリーのようで、管弦楽伴奏もピアノ伴奏も共に録音しています。
( 2008.10.01 藤井宏行 )