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An die Nacht   Op.68-1 TrV 235  
  Sechs Lieder nach Gedichten von Clemens Brentano
夜  
     クレメンス・ブレンターノの詩による6つの歌曲

詩: ブレンターノ (Clemens Maria Brentano,1778-1842) ドイツ
    Die Gründung Prags  Heilige Nacht!

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Heilige Nacht! Heilige Nacht!
Sterngeschloßner Himmelsfrieden!
Alles,was das Licht geschieden,
Ist verbunden,
Alle Wunden
Bluten süß im Abendrot.

Bjelbogs Speer,Bjelbogs Speer
Sinkt ins Herz der trunknen Erde,
Die mit seliger Gebärde
Eine Rose
In dem Schoße
Dunkler Lüfte niedertaucht.

Heilige Nacht! züchtige Braut,züchtige Braut!
Deine süße Schmach verhülle,
Wenn des Hochzeitsbechers Fülle
Sich ergießet;
Also fließet
In die brünstige Nacht der Tag!

Heilige Nacht! züchtige Braut,
Heilige Nacht,Heilige Nacht!
聖なる夜よ 聖なる夜!
星に彩られた天の平安よ!
光が引き裂いていたあらゆるものが
また結び合わされ
すべての傷口は
夕映えの中 甘美な血を流す

ビェルボグの槍は ビェルボグの槍は
酔いつぶれた大地の心臓へと沈んでゆく
大地は祝福されたしぐさで
一本のバラを
膝の中へと
暗い大気の膝の中へと潜り込ませるのだ

聖なる夜よ、貞淑な花嫁よ、貞淑な花嫁よ!
お前の甘美な恥じらいを隠すのだ
満たされし婚礼の宴の杯が
注がれ
そして流れ出すときに
昼が喜ばしき夜の中へと!

聖なる夜よ、貞淑な花嫁よ
聖なる夜よ 聖なる夜!


Op.68は管弦楽伴奏で歌われることの多い6曲からなる歌曲集。そのうちのいくつかは男声で歌われることもありますが、もともと作曲者は当時の名歌手、エリーザベト・シューマンの声を念頭にこの歌曲集を書いたということだそうですので、主としてソプラノ、中でもコロラトゥーラ系の歌手によって取り上げられることの多い作品です。第5曲「アモール」のようにコロラトゥーラの技巧を駆使したものもあり、シュトラウスの歌曲作品の中でも特異な位置付けなのではないでしょうか。
第1曲目はしっとりと。これなら男声で歌われても違和感はないかも知れません。歌詞は意味深長ですね。新婚の初夜のことを歌ったかなりキワドイ内容のようにも見えますが、もっと深い象徴的な意味合いもあるようにも思えます。
もっとも歌では「暗い大気 Dunkler Lüfte」とありますが、原詩では「暗い欲望 Dunkler Lüste」ということで、そうするとこの「槍」というのが何を意味するかはおのずと明らかでしょうか。これはちょっと露骨な比喩かも知れません。
もともとはこれは戯曲「プラハの建設 Die Gründung Prags(1815)」の第3幕の劇中歌として書かれたもので、劇では少女たちによって歌われるとありました。ちなみにこの劇、チェコの伝説的な王女でスメタナのオペラにもなっているリブシェの物語です。
なおビェルボグというのはスラブの神話で光を司る神様のことなのだそうです。はじめは何でここにスラブが?と思いましたが詩の書かれた背景を見ると納得ですね。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


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