Ach Lieb,ich muß nun scheiden Op.21-3 TrV 160 Schlichte Weisen |
ああ 恋人よ、ぼくは今お別れしなければならない 素朴な歌 |
Ach Lieb,ich muß nun scheiden, gehn über Berg und Tal, die Erlen und die Weiden, die weinen allzumal. Sie sahn so oft uns wandern zusammen an Baches Rand, das eine ohn' den andern geht über ihren Verstand. Die Erlen und die Weiden vor Schmerz in Tränen stehn, nun denket,wie's uns beiden erst muß zu Herzen gehn. |
ああ 恋人よ、ぼくは今お別れしなければならない 山や谷間を越えて行くんだ エルムの木も柳の木も みんな一緒に泣いている 彼らは何度も見てるんだ ぼくたちがそぞろ歩くのを ふたり一緒に小川のほとりを もうひとりの方がいないひとりぼっちなんて かれらには考えられないんだろ エルムの木も柳の木も 苦しみながら涙にぬれて立っている 考えておくれ どんなにぼくたちの別れが 心に響いてくるのかということを |
全体に明るめの曲が集まっている作品21にあって、唯一この曲だけが別れの悲しみを歌っている悲しい歌です。ですが何となく飄逸なところさえ感じさせる素朴なメロディはこの曲を味わい深いものにしています。悲しそうに歌ってはいるのに、なぜか微笑ましくさえ感じてしまうのは、この大げさとさえ言える別れの嘆きの表情でしょう。大衆演劇かはたまた宝塚歌劇団かというような、少々派手めの台詞は確かに強烈です。
( 2008.10.01 藤井宏行 )