Vesna Op.54-9 16 Pesni dlja detej |
春 16の子供のための歌 |
Uzh taet sneg,begut ruch’i, V okno povejalo vesnoju... Zasvishchut skoro solov’i, I les odenetsja listvoju! Chista nebesnaja lazur’. Teplej i jarche solntse stalo; Pora metelej zlykh i bur’ Opjat’ nadolgo minovala. I serdtse sil’no tak v grudi Stuchit,kak budto zhdet chego-to; Kak budto schast’e vperedi, I unesla zima zaboty! Vse litsa veselo gljadjat. «Vesna!» - chitaesh’ v kazhdom vzore. I tot,kak prazdniku,ej rad, Ch’ja zhizn’ - lish’ tjazhkij trud i gore. No rezvykh detok zvonkij smekh I bezzabotnykh ptichek pen’e Mne govorjat - kto bol’she vsekh Prirody ljubit obnovlen’e! Mne govorjat - kto bol’she vsekh Prirody ljubit obnovlen’e! |
もう雪は溶け、小川は流れる 窓辺には春のそよ風 すぐにナイチンゲールが歌いだすだろう そして森は緑に包まれる 澄み渡る空の青 太陽は一層暖かく 明るくなる 激しい吹雪と雪嵐の季節は 再び終わりを迎えたのだ 長い時間のあとに そしてこの胸の中の心臓も 脈打つのだ、まるで何かを待っているように まるで幸せがこの先にあるかのように 冬の悩み事は消え去ったのだから みんなの顔にも喜びがあふれている 「春だよ!」とみんなの瞳も輝いている みな、祝祭日のように、楽しげだ たとえその人生が-つらく悲しいものであったとしても はしゃぎまわる子供たちの笑い声 そして陽気な鳥たちの歌声 私に教えてくれ-誰が一番 この自然の復活を喜んでいるのかを! 私に教えてくれ-誰が一番 この自然の復活を喜んでいるのかを! |
チャイコフスキーの16の子供のための歌、全く同じ「春 Vesna」というタイトルの曲が2曲あります。第3曲とこの第9曲です。いずれも待ちかねていた季節のやってきた喜びをしみじみと歌っていますが、抒情的な美しさの強い前の曲よりはもっと力強さにあふれています。それはこの詩の中に春を待ちかねていた人々の心がしっかりと描かれていることにもあるのでしょう。最後の2行の繰り返しは原詩にはありませんが、ここの部分で初めて現われてくる流麗なメロディが人々の沸き立つ心を見事に表しているようです。
( 2009.02.21 藤井宏行 )