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Die Zufriedenheit   K.473  
 
満足  
    

詩: ヴァイセ (Christian Felix Weisse,1726-1804) ドイツ
      Die Zufriedenheit

曲: モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart,1756-1791) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Wie sanft,wie ruhig fühl' ich hier
Des Lebens Freuden ohne Sorgen!
Und sonder Ahnung leuchtet mir
Willkommen jeder Morgen.

Mein frohes,mein zufried'nes Herz
Tanzt nach der Melodie der Haine,
Und angenehm ist selbst mein Schmerz,
Wenn ich vor Liebe weine.

Wie sehr lach' ich die Großen aus,
Die Blutvergießer,Helden,Prinzen!
Denn mich beglückt ein kleines Haus,
Sie nicht einmal Provinzen.

Wie wüten sie nicht wider sich,
Die göttergleichen Herr'n der Erden!
Doch brauchen sie mehr Raum als ich,
Wenn sie begraben werden?

何と穏やかに、何と安らかにここにいると感じるのだろう
悩みなき人生の喜びを
そして特別な予感が私を照らすのだ
ようこそ 毎日の朝よ

私の幸せな、私の満たされた心は
小さな森の調べに乗って踊りだす
そして心地よいのだ、この痛みすら
恋のために泣くのであれば

何と思い切り偉い人のことを笑えてしまうことか
血を流す人々、英雄たちや王子たちのことを
なぜなら私はこの小さな家で満ち足りているというのに
彼らは大きな領地でも足りないのだから

何だって怒りくるって彼らは争いを止めないのか
神様のように地上を支配しようとして
だが彼らに私以上の広さが必要なのだろうか、
死んで埋葬される時にも?


1785年の5月7日に立て続けに書かれたヴァイセの詩による歌曲3曲、それぞれに個性的で詩も音楽も面白いのですが、「魔法使い」や「世間は騙される」のとんがった内容に比べるとこの曲が一番穏やかで真っ当でしょうか。とは言いながら3連目よりあとの偉い人たちを引き合いに出してきたところからの詩の毒気はさすがヴァイセ、モーツアルトのメロディも同じメロディを繰り返す有節歌曲とは言いながらもその同じメロディが毒を含んで聴こえてくるところも面白いです。このあたりは歌手の腕の見せどころということもあるのでしょうけれども、やはりよくできた歌だと思います。

( 2008.08.26 藤井宏行 )


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