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In der Campagna   Op.41-2 TrV 195  
  Fünf Lieder
カンパーニャにて  
     5つの歌曲

詩: マッケイ,ジョン (John Henry Mackay,1864-1933) ドイツ
      In der Campagna

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ich grüsse die Sonne,die dort versinkt,
ich grüsse des Meeres schweigende Fluten,
das durstig die Gluten trinkt,
die lautlos an seinem Herzen verbluten.

Ich grüsse die Ebene,wie liegt sie still,
des Abends geheimnissvoll dämmernde Weite,
durch die ich,der ich nach Hause will,
nun schneller und immer schneller schreite!

Wie ist die Brust von Glück geschwellt,
mich umgaukelt die luftige Schaar meiner Lieder,
und ich grüsse die Welt,diese herrliche Welt!
Ich grüsse sie,morgen seh' ich sie wieder!

ぼくは挨拶しよう、あそこに沈む太陽に
ぼくは挨拶しよう 海の物言わぬうねりに
海は渇き、渇き、激情の炎を飲み干す
音もなく心臓より血を流す激情の

ぼくは挨拶しよう 静かに横たわる大地に
たそがれが神秘的に広がっていく夕べの大地に
そこを通って-私は家へ帰ろう
さあ急いで もっと急いで歩くのだ!

何とこの胸は喜びでふくれているのか!
わが歌たちの一群がぼくの周りを軽やかに飛び交っている
そしてぼくはこの世界に挨拶しよう この偉大な世界に!
ぼくは挨拶しよう 明日の朝もまた再び出会えるものたちに!


叩きつけるようなピアノの高音の伴奏が実にシュトラウスらしい響きで印象的な作品。彼自身の管弦楽伴奏の編曲はないようですが、きっと誰かがオーケストラ編曲しているだろうなと思えるくらい、あの独特のシュトラウスの管弦楽の響きがピアノからも聴こえてきます。こういう華のある曲が私は彼の作品の中でも好きなので、あまり有名な作品ではありませんが取り上げさせて頂きます。
カンパーニャといえばイタリア語で「田園地帯」の意味、ゲーテがかつてイタリアを旅行したときの姿を描いた「カンパーニャのゲーテ」(ヨハン・ティシュバイン)が有名でしょうか。このゲーテの旅したカンパーニャというのはローマ近郊ということですが、マッケイの描き出したこの美しい夕焼けの情景もこの地のことでしょうか。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


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