Barkarole Op.17-6 TrV 149 Sechs Lieder |
舟歌 6つの歌曲 |
Um der fallenden Ruder Spitzen Zittert und leuchtet ein schimmernder Glanz, Flieht bei jedem Schlage mit Blitzen Hin von Wellen zu Wellen im Tanz. Mir im Busen von Liebeswonnen Zittert und leuchtet das Herz wie die Flut, Jubelt hinauf zu den Sternen und Sonnen, Bebt zu vergeh'n in der wogenden Glut. Schon auf dem Felsen durchs Grün der Platane Seh' ich das säulengetragene Dach, Und das flimmernde Licht am Altane Kündet mir,daß die Geliebte noch wach. Fliege,mein Kahn,und birg uns verschwiegen, Birg uns,selige Nacht des August; Süß wohl ist's,auf den Wellen sich wiegen, Aber süßer,süßer an ihrer Brust. |
漕ぎ下ろしたオールの先端に 震えながら輝くのはきらめく光 ひと掻きごとに閃きながら逃げ去る 波から波へと踊りながら 愛の喜びに満ちた私の胸の中でも 震えながら輝くのはこの心 水の流れのように 歓喜は星や太陽にまで届き 燃え盛る炎と揺れて散っている さあ岩場の上にはプラタナスの緑の陰に 柱に支えられた屋根が見え そしてきらめく灯かりがバルコニーに見える 私に教えてくれ、愛する人はまだ起きているのかを 飛び行け、わが舟よ、私たちを静かにかくまうのだ かくまうのだ、この至福の8月の夜に すてきなことだ、波の上に揺られるのは だけどもっともっと素敵なのは 彼女の胸の中 |
舟歌と題する歌曲は多くの作曲家が書いていますが、シュトラウスもまた非常に素敵なものを一曲書いています。彼のメロディの美しさの魅力全開で、古今東西の「舟歌」と名のつく歌曲の中でも代表曲になってもおかしくないほどの傑作だと私は思うのですが、なぜかあまり取り上げられることは多くなく、シュトラウスの作品にしては知られざる曲のひとつになっている感があります。数少ない録音の中ではエディタ・グルベローヴァの歌(Werner)が最後の余韻まで痺れるくらい素敵な歌唱でした。
( 2008.10.01 藤井宏行 )