Vesennjaja pesnja Op.54-13 16 Pesni dlja detej |
春の歌 16の子供のための歌 |
V staryj sad vykhozhu ja. Rosinki, Kak almazy,na list’jakh blestjat. I tsvety mne golovkoj kivajut, Razlivaja krugom aromat. Vse vlechet,veselit moi vzory: Zolotaja pchela na tsvetke, Raznotsvetnye babochki kryl’ja I sinejushchij les vdaleke. Kak jarka eta zelen’ derev’ev, Kupol neba kak chist i glubok! I brozhu ja,vostorgom ob”jatyj, I sleza zastilaet zrachok. Kak ljubov’ju i radost’ju dyshit Vsja priroda pod veshnim luchom! I dusha blagodarnaja chuet Zdes’ prisutstvie boga vo vsem! |
古い庭へと 私は出かける ダイヤモンドのように、草露は葉っぱの上できらめき そして花たちは私に向かって頷くのだ 香りをあたりに振りまきながら すべてのものが私の目を魅惑し元気づける 花の上の金色の蜂たち 色とりどりの蝶の羽根 そして遠くの青みがかった森 なんと明るい木々の緑 なんと晴れ渡り澄んだ天空 私はそぞろ歩きながら、喜びに満たされて 涙で私の目は曇るのだ なんと愛らしく 喜ばしく 大自然は息づいているのか この春の光の下で そして感謝に満ちた魂がここに感じるのだ 神がおわしますことを あらゆるものに! |
プレシチェーエフの原詩には、「ゲーテの5月の歌(Mailied)へのエピグラム」とあります。ゲーテのMailiedという詩はいくつかあるようですが、ベートーヴェンが曲を付けているこの詩が一番プレシチェーエフの詩に近い雰囲気を醸し出しているように思えます。最後を神さまのことに言及して終えるのもゲーテっぽい感じでしょうか。待ち望んだ季節の到来の喜びのあまりに涙を流すというのはしかしかなりのものと思いますが、寒いロシアにとってはそれだけの喜びをもたらす季節なのでしょう。全体にしみじみした春の歌の多いこの歌曲集ですが、これはその中でも一番穏やかです。まあ神様の恩寵までこの季節に感じとっているのですから当然と言えばそうなのでしょうけれども。
( 2009.01.11 藤井宏行 )