Winterweihe Op.48-4 TrV 202 Fünf Lieder |
冬の儀式 5つの歌曲 |
In diesen Wintertagen, Nun sich das Licht verhüllt, Laß uns im Herzen tragen, Einander traulich sagen, Was uns mit innerm Licht erfüllt. Was milde Glut entzündet, Soll brennen fort und fort, Was Seelen zart verbündet, Und Geisterbrücken gründet, Sei unser leises Losungswort. Das Rad der Zeit mag rollen, Wir greifen kaum hinein, Dem Schein der Welt verschollen, Auf unserm Eiland wollen Wir Tag und Nacht der sel'gen Liebe weih'n. |
この冬の日々 いまや光はその身を隠している ぼくたちは心の中に持ってこよう お互いに率直に語り合うのだ どうやって内なる光でぼくたちを満たすのかを 柔らかな情熱の炎を いつまでもいつまでも燃やし続けなければならない 魂同士を結びつけるもの そして魂の橋を架けるものよ ぼくたちのひそかな合言葉となるがいい 時の輪が転がっていこうとも ぼくたちは巻き込まれたりはしない 世の中の見せ掛けなど気にかけず ぼくたちの島の上でしようじゃないか 昼も夜も この神聖な愛にぼくたちを捧げることを |
Weiheというのはキリスト教の儀式のようで、辞書によれば「聖別(式)」あるいは「叙階(式)」とありました。そういう宗教的なバックグラウンドのない日本ではなかなか訳語に困るところがあるからでしょうか、「冬の聖化」であったり「冬の捧げ物」「冬の献身」「冬の愛」さらには「冬の祭」にいたるまで様々なタイトルに訳されています。原義はもちろん宗教的な儀式なのですけれども、ここで詩人のヘンケルが描き出しているのはもちろん言うまでもなく愛するふたりの営みのことですね。寒々とした冬の中にありながら、詩はよくよく読むと大変にエロティックです。シュトラウスの音楽はそれほど濃密ではありませんが、印象的な美しいメロディでこの曲もよく取り上げられます。
( 2008.10.01 藤井宏行 )