Leises Lied Op.39-1 TrV 189 Fünf Lieder |
ひそかな歌 5つの歌曲 |
In einem stillen Garten an eines Brunnens Schacht, wie wollt’ ich gerne warten die lange graue Nacht! Viel helle Lilien blühen um des Brunnens Schlund; drin schwimmen golden die Sterne, drin badet sich der Mond. Und wie in den Brunnen schimmern die lieben Sterne hinein, glänzt mir im Herzen immer deiner lieben Augen schein. Die Sterne doch am Himmel, die stehen all’ so fern; in deinem stillen Garten stünd’ ich jetzt so gern. |
静かな庭の中 泉の井戸のそばで ぼくは喜んで待ちたいのだ 長い、灰色の夜を たくさんの明るいユリの花が咲いている 井戸の口のところでは そこには星たちが金色に泳いでいる そこには月も浸かっている そして淡く光る泉の中の 愛しき星たちのように 私の心の中にもいつでも輝いているのだ あなたの愛しい瞳の光が だが星は天上にあり あまりに遠い あなたの静かな庭の中に 私は今こそ喜んで立っていたいものだ |
作品39の5曲は、うち4曲が詩人リヒャルト・デーメルの詩につけたものです。それぞれがけっこう多彩な内容で面白いのですが、中でもこの詩が一番デーメルらしいでしょうか。音楽もこの耽美的・幻想的な情景を意識してか、シュトラウスにしては前衛的な響きすら漂わせるものとなっています。
シュトラウスにはもう一曲似たタイトルの歌Leise Lieder Op.41-5がありますが、あちらは複数形でこちらは単数ですね。こちらは「ひそやかな歌」そのもので、Op.41-5の方は「「ひそやかな歌」についての歌」という違いがありますが。
( 2008.10.01 藤井宏行 )