TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Heimkehr   Op.15-5 TrV 148  
  Fünf Lieder
帰郷  
     5つの歌曲

詩: シャック (Adolf Friedrich von Schack,1815-1894) ドイツ
    Gedichte - 1. Liebesgedichte und Lieder  Heimkehr

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Leiser schwanken die Äste,
der Kahn fliegt uferwärts,
heim kehrt die Taube zum Neste,
zu dir kehrt heim mein Herz.

Genug am schimmernden Tage,
wenn rings das Leben lärmt,
mit irrem Flügelschlage
ist es ins Weite geschwärmt.

Doch nun die Sonne geschieden,
und Stille sich senkt auf den Hain,
fühlt es: bei dir ist der Frieden,
die Ruh' bei dir allein.

静かに揺れ動く枝
小舟は岸辺へと飛び行く
自分の巣へと帰ってゆく鳩
お前の元へと 私の心も帰る

光輝く日々に目一杯
生命のざわめきが鳴り響いたとき
私は血迷った翼のはばたきで
広がりの中へと迷い出ていってしまった

だが今 太陽が沈み行き
静けさが林に立ち込めている
感じるのだ、お前のそばこそが安らぎであり
憩いはお前のそばだけにあるのだと


作品15の中ではもっともよく取り上げられる作品でしょうか。作品15・17・19とシュトラウス同時代のミュンヘンの詩人のアドルフ・フォン・シャックの詩に集中的に20曲近くも彼は曲を付けているのですがその中でも3本の指には入るであろう人気作品です。しみじみとした歌に寄り添うように静かに奏でられる美しいピアノ。中間部の後悔するところではほのかに音楽は翳りますが、また冒頭の安らかなメロディが再現されて、静かに音楽は終えられます。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ