Die erwachte Rose TrV 90,AV 66/180 Drei Liebeslieder |
目覚めたバラ 3つの愛の歌 |
Die Knospe träumte von Sonnenschein, Vom Rauschen der Blätter im grünen Hain, Von der Quelle melodischem Wogenfall, Von süssen Tönen der Nachtigall, Von den Lüften,die kosen und schaukeln, Von den Düften,die schmeicheln und gaukeln. Und als die Knospe zur Ros' erwacht, Da hat sie milde durch Tränen gelacht Und hat geschaut und hat gelauscht, Wie's leuchtet und klingt, Wie's duftet und rauscht. Als all ihr Träumen nun wurde wahr, Da hat sie vor süssem Staunen gebebt Und leis geflüstert: Ist mir's doch gar, Als hätt ich dies alles schon einmal erlebt. |
つぼみは夢見ていた 太陽の光のことを 緑の茂みの木の葉のざわめきを 泉の水のメロディのようなしたたりを ナイチンゲールの甘い歌声を 愛撫し揺すりかけるそよ風のことを うれしがらせ ひらひらする香りのことを そしてつぼみがバラとなって目覚めるとき バラは涙を流し 穏やかに微笑むのだ そして目をこらし 耳を澄ます どんな輝きが 響きが どんな香りが ざわめきがあるだろうかと 見ていた夢がすべて現実のものとなったとき バラは甘美な驚きにふるえた そして静かにささやいた:私にとってこれは みんなまるで昔一度経験したことがあるもののようだわと |
これもシュトラウス若き日の作品。記録によっては1880年の作曲とありますので、それが本当ならシュトラウス弱冠16歳のときの作品ということになります。まとめて1883年に出版された他の2曲に比べるとあまり強い個性は感じられず、シューマンの普通のリートを連想させるような曲なので、そんなところが録音の少なさにも影響しているところでしょうか。数少ない録音の中ではルチア・ポップのEMI盤が彼女の魅力を最大限に発揮していて聴きものです。彼女のシュトラウスはどれも素晴らしいですが、こんな感じのちょっと古典的な感じの曲の方が彼女に似合って一層素晴らしいように私には思えました。
( 2008.10.01 藤井宏行 )