TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Rote Rosen   TrV 119,AV 76  
  Drei Liebeslieder
赤いバラ  
     3つの愛の歌

詩: スティーラー (Karl Stieler,1842-1885) ドイツ
      

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Weisst du die Rose,die Du mir gegeben?
Der scheuen Veilchen stolze,heisse Schwester;
Von Deiner Brust trug noch ihr Duft das Leben,
Und an dem Duft sog ich fest mich und fester.

Ich seh Dich vor mir,Stirn und Schläfe glühend,
Den Nakken trotzig,weich und weiss die Hände,
Im Aug noch Lenz,doch die Gestalt erblühend voll,
Wie das Feld blüht um Sonnenwende.

Um mich webt Nacht,die kühle,wolkenlose,
Doch Tag und Nacht,sie sind in eins zerronnen.
Es träumt mein Sinn von Deiner roten Rose
Und von dem Garten,drin ich sie gewonnen.

君は知ってるよね 君がぼくにくれたバラの花を
恥ずかしがりなスミレの 堂々として情熱的なこの姉妹のことさ;
君の胸から今もなお命の香りを発し続けて
そしてその香りを強く 一層強くぼくは吸い込んだのだ

ぼくは君を目の前に見る、燃え立つ額とこめかみ
すっと伸びた首筋、手は柔らかくて白い、
瞳の中はまだ春だけれど、姿は満開の花だ
野原が夏至の頃に花でいっぱいになるように

ぼくのまわりには夜が広がる、涼しく、雲のない夜が
しかし昼間も夜も、ひとつに溶け合っている
ぼくの心は君の赤いバラの夢を見てる
そしてあの庭、ぼくが彼女をものにした庭の夢を


作品番号のない、作曲者にとってもごく初期の作品ですが、メロディが美しく、とてもロマンティックな雰囲気を出しているのでしばしば取り上げられる歌です。シュトラウスのトロトロに甘い歌曲の原点とも言える作品かも知れません。
同じごく初期、まだ作曲者10代のときの作品「目覚めたバラ」「出会い」と一緒に1883年に出版されたとき「3つの愛の歌」というタイトルが付けられたのだそうですが、このタイトルをつけて3曲まとめられている録音は私が知る限りではルチア・ポップがサヴァリッシュのピアノ伴奏で入れたEMI盤のみです。単独では何枚かの録音で目にしたことがあり、有名なところではエディタ・グルベローヴァのTELDECに入れた録音があり、これも華やかな声で素敵でした。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ