Ich liebe dich Op.37-2 TrV 187 Sechs Lieder |
あなたを愛する 6つの歌曲 |
Vier adlige Rosse voran unserm Wagen, wir wohnen im Schlosse in stolzem Behagen. Die Frühlichterwellen und nächtens der Blitz, was all sie erhellen, ist unser Besitz. Und irrst du verlassen, verbannt durch die Lande; mit dir durch die Gassen in Armut und Schande! Es bluten die Hände, die Füße sind wund, vier trostlose Wände, es kennt uns kein Hund. Steht silberbeschlagen dein Sarg am Altar, sie sollen mich tragen zu dir auf die Bahr', Und fern auf der Heide und stirbst du in Not, den Dolch aus der Scheide, dir nach in den Tod! |
四頭の立派な駿馬が 私たちの馬車を引いている 私たちは宮殿に住んでいるのだ 誇りに満ちた喜びの中で 夜明けの光や 稲光の夜に 光り輝くすべてが 私たちのもの そしてもしあなたが誤解され 追放されて この国中を追われるならば あなたと共に道を歩こう 困窮と不名誉にまみれても 手は血を流し 足は痛む 四方には無情の壁 犬さえも私たちを知ることはない 銀色の金具に打ち付けられて あなたの柩が祭壇の上にあるときは 人々は私も運んで行くのだ あなたのもとへと 棺台に乗せて そして遠く離れた荒野で あなたが苦しみの中 死んでしまうことがあるなら 短刀を鞘より取り出し あなたを追って 死あるのみだ! |
初めてこの曲をバーンスタイン指揮のフランス国立管弦楽団の怒涛の演奏で聴いた時には度肝を抜かれました(歌はなんとモンセラット・カバリエ、非常にユニークな演奏者の取り合わせのアルバムです)。トランペットの華麗なファンファーレと共に力強い歌声で始まる冒頭も強烈ですが、そのあとも分厚い管弦楽がこのファンファーレのメロディを何度も繰り返すわ、中間部の迫害されたところでも熱い血潮がたぎっています。最後もヒロイックに壮大に締められて、まるでこれから戦争にいく英雄が歌っているオペラのアリアのよう。歌詞が確かに大仰なところがありますからこの派手な音楽には良く合っています。なおこの曲、交響詩「英雄の生涯」と同時期の作品で、それとの関連性の深いことがよく解説書などには書かれています。実際のところ私はそれほどとは思えないのですが、調性の一致含め色々似ているところがあるのだそうです。
( 2008.10.01 藤井宏行 )