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Schlagende Herzen   Op.29-2 TrV 172  
  Drei Lieder
鳴り響くハート  
     3つの歌曲

詩: ビーアバウム (Otto Julius Bierbaum,1865-1910) ドイツ
    Irrgarten der Liebe. Verliebte,launenhafte und moralische Lieder,Gedichte und Sprüche aus den Jahren 1885 bis 1900 - Lieder  Schlagende Herzen

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Über Wiesen und Felder ein Knabe ging,
Kling klang,schlug ihm das Herz;
Es glänzt ihm am Finger von Golde ein Ring.
Kling klang,schlug ihm das Herz;

O Wiesen,o Felder,wie seid ihr schön!
O Berge,o Täler,wie schön!
Wie bist du gut,wie bist du schön,
Du gold'ne Sonne in Himmelshöhn!
Kling klang,kling klang,kling klang,schlug ihm das Herz.


Schnell eilte der Knabe mit fröhlichem Schritt,
Kling klang,schlug ihm das Herz;
Nahm manche lachende Blume mit -
Kling klang,schlug ihm das Herz.

Über Wiesen und Felder weht Frühlingswind,
Über Berge und Wälder weht Frühlingswind,
Im Herzen mir innen weht Frühlingswind,
Der treibt zu dir mich leise,lind,
Kling klang,schlug ihm das Herz.


Zwischen Wiesen und Feldern ein Mädel stand,
Kling klang,schlug ihr das Herz.
Hielt über die Augen zum Schauen die Hand,
Kling klang,schlug ihr das Herz.

Über Wiesen und Felder,über Berge und Wälder,
Zu mir,zu mir,schnell kommt er her,
O wenn er bei mir nur,bei mir schon wär!
Kling klang,kling klang,kling klang,schlug ihr das Herz.

牧場を 野原を ひとりの少年が行く
ドキン ドキン、彼のハートは鳴っていた
彼の指に輝くのは金の指輪
ドキン ドキン、彼のハートは鳴り響く

おお牧場よ、野原よ、おお何て美しいんだ!
おお山々よ、谷間よ、おお何て美しい!
お前はなんて素敵で、なんて美しいんだ
天高く昇る金色の太陽よ!
ドキン ドキン、ドキン ドキン、ドキン ドキン、彼のハートは鳴り響く


少年は陽気な足取りで駆けていった
ドキン ドキン、彼の胸は鳴っていた
微笑む花を何本も手に持って...
ドキン ドキン、彼のハートは鳴り響く

牧場に 野原に 春の風は吹き
山々や森の上にも 春の風が吹く
ぼくの心の中にも 春の風が吹いて
君のもとへと連れて行ってくれるのさ 静かに、そっと
ドキン ドキン、彼のハートは鳴り響く


牧場と野原の間にはひとりの少女が立っていた
ドキン ドキン、彼女の胸は鳴っていた
目の上に手をかざして遠くを見て
ドキン ドキン、彼女のハートは鳴り響く

牧場を 野原を越えて、山を 森を越えて
私のところへ、私のところへ 彼は急いでやってくるわ
おお 彼が私だけのそばに、もうとっくに着いていたのだったら!
ドキン ドキン、ドキン ドキン、ドキン ドキン、彼女のハートは鳴り響く


微笑ましい田舎の少年少女の恋物語。シュトラウスもとっても爽やかなメロディをつけています。
心臓の高鳴りをピアノと歌が掛け合うところなど非常に印象的。ピアノの高音と掛け合うクリン・クランの歌声が耳に残ります。そのままの音にしても良かったのですが、まあ日本語で心臓はドキドキだろうということで、ドキン・ドキンという音にして訳しました。音楽が展開するにつれてこのドキンも微妙に表情を変えながら繰り返されます。
そのすべてをビーアバウムの詩につけたOp.27の3曲の中では、他の2曲と違いリリックなソプラノ歌手に好まれている作品のようです。私もルチア・ポップの歌うこの歌の録音(EMI)で初めて聴いて、それから大好きな曲のひとつになりました。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


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