Noch einmal Op.15-16 Japanische Blatter |
今一度(和泉式部) 16葉の日本の詩 |
Noch einmal lass mich,o Geliebter, Bevor ich diese Welt verlasse, Dein liebes Antlitz wiedersehen, Dass ich es tief in meine Seele Einpräge und es mit mir nehme Ins dunkle Land der Ewigkeit. |
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな 今一度見せて、おお恋人よ 私がこの世を去る前に あなたの愛しいお顔をもう一度 私の魂の奥深くに 記憶させて一緒に持って行きたいの 永遠の暗い地へと |
こちらも百人一首でおなじみの後拾遺集より和泉式部の有名な和歌ですが、ベートゲのドイツ語詩では激しくも情熱的な恋の歌となってしまいました。改めてその目で元歌を見ると、百人一首のお勉強のときにはまるで気が付かなかったこの歌の熱情を感じ取ることができて興味深かったです。このベートゲの「日本の春」、他にも面白い翻訳がたくさんあると思うのですが、どなたか邦訳を作って頂けないものでしょうかね。19世紀のヨーロッパの日本の理解という観点からも非常に興味深い文献だとおもうのですが...
( 2004.01.18 藤井宏行 )