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Mit einem gemalten Band   Op.83-3  
  Drei Gesänge von Goethe
彩られた一本のリボンで  
     ゲーテによる3つの歌曲

詩: ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832) ドイツ
      Mit einem gemalten Band (1771)

曲: ベートーヴェン (Ludwig van Beethoven,1770-1827) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Kleine Blumen,kleine Blätter
Streuen mir mit leichter Hand
Gute,junge Frühlings-Götter
Tändelnd auf ein luftig Band.

Zephir,nimm's auf deine Flügel,
Schling's um meiner Liebsten Kleid;
Und so tritt sie vor den Spiegel
All in ihrer Munterkeit.

Sieht mit Rosen sich umgeben,
Selbst wie eine Rose jung.
Einen Blick,geliebtes Leben!
Und ich bin belohnt genug.

Fühle,was dies Herz empfindet,
Reiche frei mir deine Hand,
Und das Band,das uns verbindet,
Sei kein schwaches Rosenband!


小さな花たちを、小さな葉っぱを
その軽やかな手で私に投げかけてくる
優しくて若い春の神々が
軽やかなリボンの上でふざけながら

ゼフィールよ、そのリボンをお前の翼に乗せて
私の愛する人のドレスにそいつを巻きつけてくれないか
そうしたら彼女は鏡の前へと踏み出すのだ
思い切り気持ちを浮き立たせて

バラで包まれた彼女の姿は
まるで一輪の若いバラの花のように見える
一目だけでも、愛する人よ!
それだけで私は十分に報われるのだ

感じておくれ、この心の感じていることを
心安く伸ばしておくれ 私にお前の手を
そして私たちの間を結ぶリボンが
か弱いバラのリボンだったりはしませんように!


作品83に選ばれたゲーテの詩の中では一番ストレートで官能的なところさえ感じさせる恋の歌です。ベートーヴェンの屈託のない音楽も、この詩であれば文句の付けようもないくらいにはまっています。ただ残念ながらこの歌曲集の中では一番取り上げられる頻度は少ないでしょうか。決して他の2曲に劣るというわけではないと思いますけれども、ひねりがなさすぎて聴いていて受けるインパクトが前2曲に比べて少々弱いというのはあるかも知れません。

( 2009.04.01 藤井宏行 )


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