Oblak a mrákota jest vůkol něho Op.99-1 Biblické Písně |
雲と暗闇が主の周りに立ちこめ 聖書の歌 |
Oblak a mrákota jest vůkol něho, Spravedlnost a soud základ trůnu jeho. Óheň předchází jej a zapaluje vůkol nepřátele jeho. Zasvěcujít' se po okršku světa blýskání jeho; To vidouc země děsí se. Hory jako vosk rozplývají se před obličejem Hospodina, Panovníka vší země. A slávu jeho spatřují všichni národové. |
雲と暗闇が主の周りに立ちこめ 正義と裁きが主の王座となる。 主の御前より火が燃え出で、焼き滅ぼす 周りの敵を 稲妻は世界を照らし出し 大地はそれを見て震える 山々は蝋のように溶ける 主の御前に この地上の万物の主 そしてすべての民はその栄光を仰ぎ見る。 |
旧約聖書・詩篇のチェコ語の聖句に付けた曲です。1894年、彼のアメリカ滞在時に有名な「新世界交響曲」や「チェロ協奏曲」、「アメリカ」弦楽4重奏曲などと共に書かれました。故郷の父の重病やその前年のチャイコフスキー・この年のハンス・フォン・ビューローなど親しい音楽家たちの死にインスパイアされて、21日間で一気に書かれたのだといいます。
日本の聖書に載っているものと大きな語句の違いはないのですが(元が一緒ですから当然ではあります)、ところどころニュアンスが違っているところもある感じでしたので、私のできる範囲でのチェコ語からの訳をつけてみました。原典は16世紀のものだそうですのでさっぱり分からないところも多く、誤訳を多々しているとは思いますがご了承ください。
第1曲目は詩篇第97篇の2〜6より。伴奏のメロディなどにドヴォルザークらしさがほのかに感じられますが、基本的には神をたたえるアンセムとして割と普通の堂々とした音楽のようです。そういうわけであまり強烈なインパクトはないのですが、力強い曲想で聴き手を音楽へと引き込んでくれてなかなか素晴らしいです。
( 2009.09.01 藤井宏行 )