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Hytten   Op.18-7  
  9 Romanser og sanger
小屋  
     9つの歌とロマンス

詩: アンデルセン (Hans Christian Andersen,1805-1875) デンマーク
    Digte 10 Hytten (1830)

曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー   歌詞言語: デンマーク語


Hvor Bølgen højt mod Kysten slaar
En ganske lille Hytte staar,
Men rundt om paa det hele Næs
Er ej en Plet med Græs.

Kun Himmel,Hav og nøg ent Land
Omgiver Hyttens Drømmeland.
Et Paradis er dog det Sted,
Thi der bor Kjærlighed!

Ej Sølv,ej Guld man finder
Der,men To,som har hinanden kjær.
Se! Kys og Smil paa Læben ler,
Og Øjet Sjælen ser.

Det tale ej det mindste Ord;
Glemt er den hele store Jord,
Med Kamp og Smerte,Fryd og Fred,
Thi her bor Kjærlighed!

高い崖が海辺の波を洗うところ
とても小さな小屋が立っている
その周りには庭さえもなく
木も草も生えていない

ただ空と、海と剥き出しの砂とが
この小屋を夢の国にしている
きみもここに天国を見るだろう
ここで愛し合う者たちは

銀も金もここにはないけれど
互いに愛し合う二人がいる
ご覧! キスと微笑みが愛を表わす
そして瞳は深く見つめている

ふたりは決して多くの言葉を交わさないし
周りの世界のことなど気にかけないのだ
けんかや痛みもあるが、喜びと安息もある
ここで愛し合う者たちは


いかにもグリーグらしい鄙びたメロディが、北欧の田舎の若い二人のロマンスを温かくも魅力的に描きます。こんな感じの曲こそグリーグの本領ではないかと思うのですけれども、残念なことにほとんど取り上げられることはないようです。
アンデルセンの詩はけっこう大仰なところもありますが(それが現在あのあまりにも有名な童話群に比べると彼の詩がほとんど取り上げられなくなっている理由かも知れません)、それだけにこういう幻想的なロマンティックな世界には良くはまっているように思えます。現代人はあまりにせせこましくなり過ぎて、こういう言葉を受け入れる余裕がなくなっているのかも知れませんね。

( 2008.10.11 藤井宏行 )


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