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S Bohem,rodný kraju    
  Zápisník Zmizelého
さらば、生まれ故郷よ  
     消えた男の日記

詩: カルダ (Ozef Kalda,1871-1921) チェコ
      

曲: ヤナーチェク (Leoš Janáček,1854-1928) チェコ   歌詞言語: チェコ語


S Bohem,rodný kraju,  
s Bohem,má dědino ! 
Navždy sa rozlúčit,
zbývá mi jedino.

S Bohem,můj tatíčku,
a i vy,maměnko,
s Bohem,má setřičko,
mých očí poměnko !

Ruce vám obtúlám,
žádám odpuštění,
už pro mne návratu
žádnou cestou není ! 

Chci všecko podniknút,
co osud poručí ! 
Zefka na mne čeká,
se synem v náručí !

さらば、生まれ故郷よ
さらば、俺の村よ!
永遠の別れ それだけが,
俺にただひとつ残された道

さよなら 父さん
それから 母さんも
さよなら 妹よ
俺の目の中の忘れな草よ!

みんなにこの手を差し伸べて
俺は許しを乞いたい
今や俺には引き返す
ことのできる道はどこにもない

どんなことでも俺は受けてやる
運命が命じるままに
ゼフカが俺を待っているんだ
俺の息子を腕に抱いて


S Bohem(神様と共にあれ)という永遠の別れの言葉を残し、ヤンは愛するゼフカのもとへと去って行きます。運命を受けれた彼の心は晴れやかで、もはや何の迷いもないようです。それは最後に触れられていますが、ゼフカが彼の子を産んだこととも深く関係しているのでしょう。
穏やかに別れを告げている冒頭が、最後の連で「どんなことでも俺は」のところで突然力強さを増し、そして「ゼフカが俺を待っているんだ」のところでは輝かしい叫びとなり、そして決然と終わります。不思議な余韻を残して...

( 2008.10.10 藤井宏行 )


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