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Ciribiribin    
 
チリビリビン  
    

詩: ティオケット (Carlo Tiochet,1863-1912) イタリア
      

曲: ペスタロッツァ (Alberto Pestalozza,1851-1934) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Su,finiscila coi bacci,bel moruccio biricchin!
E non vedi tu la luna che dal ciel fa capolin?
E se pur la luna spia,noi lasciamo la guardar;
anzi,il pallido suo raggio ci consiglia a seguitar!

Ma poi... chi sà...? Cosa dirà...?
E Via! dirà Cosa vorrà

Ciribiribin,Ciribiribin,Ciribiribin,
Ciribiribin,che bel faccin,che sguardo dolce ed assassin!
Ciribiribin,che bel nasin,che bei dentin,che bel bocchin!
Ciribiribin,che bel nasin,che bei dentin,che bel bocchin!
Ciribiribin,Ciribiribin,Ciribiribin,che bel bocchin!


Se la mamma poi sapesse,che io son qui nel giardin
Non la sai che le sgridate,non avrebbero piu fin
E se pur la mamma sgridi noi lasciamo la sgridar;
Che pensando ai tempisuoi,che vorra ben perdonar.

Ma poi... chi sà...? Cosa dirà...?
E Via! dirà Cosa vorrà

Ciribiribin,Ciribiribin,Ciribiribin,
Ciribiribin,che bel faccin,che sguardo dolce ed assassin!
Ciribiribin,che bel nasin,che bei dentin,che bel bocchin!
Ciribiribin,che bel nasin,che bei dentin,che bel bocchin!
Ciribiribin,Ciribiribin,Ciribiribin,che bel bocchin!

さあ、キスはやめて、あたしのいたずらっ子ちゃん!
お月さまが空にあの小さな顔を出したのが見えないの?
もし月が覗いてたところで、覗かせておくがいいさ
それどころかあの蒼ざめた輝きは もっと続けろってけしかけてるよ!

だけどそうなら...分からないわ? なんて言ってるの? 
そうほら!言ってるよ こう言うだろうさ

チリビリビン、チリビリビン、チリビリビン
チリビリビン、なんて美しい顔、なんて甘く魅惑的な眼差し!
チリビリビン、なんて美しい鼻、なんて美しい歯、なんて美しいくちびる!
チリビリビン、なんて美しい鼻、なんて美しい歯、なんて美しいくちびる
チリビリビン、チリビリビン、チリビリビン、なんて美しいくちびる


もしもお母さんがあたしがこの庭にいるのを知ったなら
知ってるでしょ どんなに激しく怒るのかを
きみの母さんが怒るなら 怒らせておくがいいさ
自分の時のことを思い出せば きっと許してくれるだろうから

だけどそうなら...分からないわ? なんて言ってるの? 
そうほら!言ってるよ こう言うだろうさ

チリビリビン、チリビリビン、チリビリビン
チリビリビン、なんて美しい顔、なんて甘く魅惑的な眼差し!
チリビリビン、なんて美しい鼻、なんて美しい歯、なんて美しいくちびる!
チリビリビン、なんて美しい鼻、なんて美しい歯、なんて美しいくちびる
チリビリビン、チリビリビン、チリビリビン、なんて美しいくちびる


1898年のイタリア産のワルツですが、1910〜20年代のSPの復刻録音に若干顔を見せるだけで、今や本家イタリアではほとんど歌われることはないでしょうか?私もルクレツィア・ボリというソプラノ歌手の歌った1920年代の歌しか見つけることはできませんでした。時は下って1939年のアメリカ、ジャズ・トランペッターのハリー・ジェイムスが目の覚めるようなスウィングにして自らのテーマソングのようにし、その時に作曲家でもあったジャック・ローレンスが「ナポリに低く月がかかれば すてきなゴンドラがやってくる」なんていうような詩をつけたのでこれが1940年代に大ヒットしました。こちらはハリー・ジェイムスのバックで歌ったフランク・シナトラの歌や、聴いてはおりませんけれどもビング・クロスビーの歌なども残っているそうです。それもあってでしょうか、日本でもかつては良く知られた歌になっていたようで、調べてみてビックリだったのですが1955年の第6回NHK紅白歌合戦で、ソプラノ歌手の大谷冽子によって歌われたという記憶が残っておりました(歌ったのはおそらく彼女がCDに吹き込んでいるのと同じ青木爽の詞でしょうか。この詩も日本でウケた外国曲の常でいろいろな人の訳詞が残されています)
今や日本でも若い人の中にはほとんど知る人はいないかも知れませんし、海外でも若手の録音は私の知る限り見つけておりませんので再び忘却への道を辿っていく曲なのかも知れません。
ただ、今回たまたま聴くことのできたアメリカの歌手、マリオ・ランツァが51年にオリジナルのイタリア語で吹き込んだ歌が伴奏のオーケストラも含め衝撃的に素晴らしかったので、このイタリア語の詩を取り上げてみることにしました。

何とも情熱的な若い恋人たちの会話。同じ歌の中で一人芝居をするようになっているのが微笑ましいです。「チリビリビン」というのがどういう意味なのかはよく分かりませんでしたが、イタリア語のサイトを検索していたら別の曲(民謡らしい)で「チリビリビン」というのがあることを発見しましたので、もしかするとそれから来ているのかもしれません。
作曲者のAlberto Pestalozzaと作詞者のCarlos Tiochetについてはほとんど情報は得られませんでした。特に作詞者の方は生没年も分からなかったのですが、この曲の作曲が1898年ということもありますので、イタリア人作者の著作権切れの年1957年まで御存命というのは考えにくかろうということで原詞の方もアップさせて頂きます。JASRACのデータベースでもこの原詞は著作権切れになっておりました。

( 2008.09.06 藤井宏行 )


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