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Der Schmetterling   Op.57-1 D 633  
 
蝶々  
    

詩: シュレーゲル,フリードリヒ フォン (Karl Wilhelm Friedrich von Schlegel,1772-1829) ドイツ
      Der Schmetterling

曲: シューベルト (Franz Peter Schubert,1797-1828) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Wie soll ich nicht tanzen?
Es macht keine Mühe,
Und reizende Farben
Schimmern hier im Grünen.
Immer schöner glänzen
Meine bunten Flügel,
Immer süßer hauchen
Alle kleinen Blüten.
Ich nasche die Blüten,
Ihr könnt sie nicht hüten.

Wie groß ist die Freude,
Sei's spät oder frühe,
Leichtsinnig zu schweben
Über Tal und Hügel.
Wenn der Abend säuselt,
Seht ihr Wolken glühen;
Wenn die Lüfte golden,
Scheint die Wiese grüner.
Ich nasche die Blüten,
Ihr könnt sie nicht hüten.

どうして踊らずにいられよう。
踊るのは苦にならないし、
魅力的なとりどりの色が
この緑野にきらめいているのに。
ますます美しく
ぼくの色鮮やかな羽根は輝き、
ますます甘美に
あらゆる小さな花々が息づく。
ぼくは花々をつまみ食いするのさ、
きみたちに花の番人はつとまらないよ。

なんて大きな喜びなのだろう、
晩の遅い時だろうが朝早い時だろうが、
軽々と
谷や丘の上を飛び回るのは。
夕方の風がそよぐと
雲が赤くなるのが見える。
空気が金に染まると
草原はさらに緑に輝く。
ぼくは花々をつまみ食いするのさ、
きみたちに花の番人はつとまらないよ。

フリードリヒ・フォン・シュレーゲル(Karl Wilhelm Friedrich von Schlegel: 1772.3.10,Hannover - 1829.1.12,Dresden)の詩集「夕映え(Abendröte)」は22編の詩から成るが、シューベルトはそのうち11編に1819年から1823年にかけてばらばらに作曲した。
「蝶々」はこの詩集の第1部の8番目に置かれている。
詩は自由奔放に飛び回る蝶々の様を描くが、恋する男の心境を蝶々に託しているという風にも読める。
軽快な詩の内容に応じて、シューベルトの曲は蝶々の飛翔をピアノのリズミカルな分散和音で描写しながら楽しげな有節形式に仕上げている。
歌声部、各節の最後がドではなくミで終わっているのが、停滞することなく飛び続ける蝶々にふさわしい。
4分の2拍子、ヘ長調、標示は「いくぶん速く(Etwas geschwind)」。
歌声部の最高音は2点ヘ音、最低音は1点ホ音。

この種の作品はアーメリングの独壇場だろう。
声の軽さとユーモアが曲にぴったりで理想的な演奏である(PHILIPS: 1973年8月録音: ボールドウィンのピアノ)。

( 2008.09.01 フランツ・ペーター )


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