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Erntelied   D 434  
 
収穫の歌  
    

詩: ヘルティ (Ludwig Heinrich Christoph Hölty,1748-1776) ドイツ
    Oden und Lieder - Zweites Buch 9 Erntelied

曲: シューベルト (Franz Peter Schubert,1797-1828) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Sicheln schallen,
Ähren fallen
Unter Sichelschall;
Auf den Mädchenhüten
Zittern blaue Blüten,
Freud' ist überall.

Sicheln klingen,
Mädchen singen
Unter Sichelklang,
Bis,vom Mond beschimmert,
Rings die Stoppel flimmert,
Tönt der Erntesang.

Alles springet,
Alles singet,
Was nur lallen kann.
Bei dem Erntemahle
Ißt aus einer Schale
Knecht und Bauersmann.

Jeder scherzet,
Jeder herzet
Dann sein Liebelein.
Nach geleerten Kannen
Gehen sie von dannen,
Singen und juchhei'n!

鎌で刈る音が鳴り、
穂が落ちる、
鎌の音とともに。
娘たちの帽子の
青い花飾りは震え、
喜びはいたるところにある。

鎌で刈る音が響き、
娘たちは歌う、
鎌の響きとともに。
月に照らされて、
周囲に切り株がきらめくまで、
収穫の歌は響き続ける。

皆飛び跳ね、
皆歌う、
ろれつの回らぬまま話せることを。
収穫時の食事では、
一枚の深皿から食べるのだ、
使用人も農夫も。

それから誰もがふざけ、
誰もが抱き合う、
それぞれの恋人と。
ジョッキを飲み干すと
彼らはそこから帰り、
歌ったり、歓声を挙げたりするのだ!


秋は落葉の感傷にひたるだけではなく、実りの季節でもある。
天真爛漫な収穫の喜びを開放的に歌ったヘルティ(Ludwig Heinrich Christoph Hölty: 1748.12.21,Mariensee - 1776.9.1,Mariensee)の詩に、シューベルトが4節の有節歌曲として作曲した。
リズミカルでうきうきしてくるような楽しい曲である。
ホ長調、4分の2拍子で、標示は「中庸のテンポで」(Mässig)。
前奏4小節の後に1節につき15小節の歌が続くので、4節とも歌われると全64小節ということになる。
歌声部の最高音は2点嬰ト音、最低音は1点ホ音。
シュヴァルツコプフ(Elisabeth Schwarzkopf)がEMIの”Songs I Love”と題した録音の中でパーソンズ(Geoffrey Parsons)と演奏しており(1973年4月録音)、素朴だが耳に残るメロディーはすぐに好きになったものだった(第2節は省略して演奏されている)。
あまり歌われないが、なかなか素敵な曲ではないだろうか。

( 2008.09.01 フランツ・ペーター )


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