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Snovidenie   Op.60-4  
  Shest' romansov
夢  
     6つのロマンス

詩: プーシキン (Aleksandr Sergeyevich Pushkin,1799-1837) ロシア
      Сновидение (1817)

曲: グラズノフ (Aleksandr Konstantinovich Glazunov,1865-1936) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Nedavno,obol’shchen prelestnym snoviden’em,
V ventse sijajushchem,tsarem ja zrel sebja;
Mechtalos’,ja ljubil tebja -
I serdtse bilos’ naslazhden’em.
Ja strast’ u nog tvoikh v vostorgakh iz”jasnjal
Mechty! akh! otchego vy schast’ja ne prodlili?
No bogi ne vsego teper’ menja lishili:
Ja tol’ko tsarstvo poterjal.

近頃 素晴らしい夢を見た
輝く王冠をかぶり、王その人に私はなっていたのだ
そして夢の中でも私はお前を愛していた
心臓は喜びに脈打っていた
私はお前の足元でこの熱情を打ち明けていたのだった
夢よ!ああ!なぜこの幸せを続けてはくれぬのだ?
だが神は私からすべてを奪うことはなされなかった
私が失ったのは王国だけだったのだ...


弟子のラフマニノフの陶酔感溢れる歌曲も真っ青の、美しいメロディに酔いしれることのできる歌曲です。とにかく美しい愛の歌。ロシア歌曲でも甘ったるい(ほめ言葉として読んでください)ことではこの右に出ることのできる曲はないのではないかとさえ思います。1896年の作曲といいますので彼のまだ30代はじめの作品なのですが既に作品番号は60ということで彼の歌曲の中ではおしまいの方になります。若い熱情に満ち溢れているという点では、やはり同じように若いころに大量の情熱的な歌曲を書いたラフマニノフとも通じるところはあるのですね。
プーシキンの詩はまだ彼が貴族学校時代のものだそうです。こちらもみずみずしさに溢れている詩だと思います。
CBCレーベルにあるヨアンナ・コロミエツの歌が、リリックなソプラノの美質を生かして、実に美しいものになっています。グラズノフの歌曲はこれも含めてリリカルな声の人に似合う作品が多いでしょうか。

( 2008.08.31 藤井宏行 )


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