Na gore-to kalina Op.104-3 Russkikh narodnykh pesen |
山の上にはカリーナ 12のロシア民謡 |
Na gore-to kalina,na gore-to kalina, Na gore-to dusha-radost’ kalina, Pod goroju malina,pod goroju malina, Pod goroju dusha-radost’ malina. Tam devitsa guljala,tam devitsa guljala, Tam devitsa dusha-radost’ guljala. Kalinushku lomala,kalinushku lomala, Kalinushku dusha-radost’ lomala,lomala. |
山の上にはカリーナ、山の上にはカリーナ 山の上にはカリーナの喜びがある 山の下にはマリーナ、山の下にはマリーナ 山の下にはマリーナの喜びがある そこへ娘が出かけて行った、そこに娘が出かけて行った そこへ娘がうきうきと出かけて行った カリーナちゃんを摘んだ、カリーナちゃんを摘んだ カリーナちゃんをうきうきと摘んだ、摘んだ |
鮮烈なピアノの前奏に導かれて弾むような歌が始まる、プロコフィエフの編曲したロシア民謡集の中でも指折りの斬新な響きのする作品です。
歌に出てくるカリーナとマリーナというのはロシアの野山に生える野生のラズベリーの仲間。日本語ではガマズミ、あるいはキイチゴとでも訳すと一番しっくりくるでしょうか。それぞれの愛称がカリンカとマリンカ、とくればロシア民謡のお好きな方は有名な歌「カリンカ」の歌詞ですぐピンと来られるかと思います。
実はいずれも若い女性のことを密かに表しているようですので、ここでは訳さずにそのまま女の子っぽい名前のままにしておきました。それを少女が摘んでしまったというのがなんともほのかに倒錯の香りがしますが、こんなところが猥雑な昔のお祭りを盛り上げる下ネタとしてはいいんでしょうね。そんなお祭の踊りの歌のような晴れやかさが魅力的です。
「うきうきと」と訳したところは直訳すると「魂の喜びから」というような意味のようですが、ちょっと大げさな表現なので意訳させていただきました。
( 2008.08.30 藤井宏行 )