Junoshu,gor’ko rydaja Op.46-2 Chetyre romansa na slova A. Pushkina |
若者を、激しくすすり泣きながら プーシキンの詩による4つのロマンス |
Junoshu,gor’ko rydaja, Revnivaja deva branila. K nej na plecho preklonen, Junosha vdrug zadremal. Deva totchas umolkla, Son ego legkij leleja, I ulybalas’ emu, Tikhie slezy lija. |
若者を、激しくすすり泣きながら 嫉妬にかられた乙女がなじっていた 彼女の腕にもたれながら 若者はとつぜんまどろんだ 乙女はすぐに泣くのをやめ 彼の浅い眠りを見つめた そして彼に微笑みかけた 静かな涙を流しながら |
第2曲目はダルゴムイシスキーやリムスキー=コルサコフなど、ショスタコーヴィチよりももっと古い作曲家にもしばしば取り上げられたことのある詩です。非常に短い詩ですがなんとも意味深長で、きっと何かプーシキンは寓意を織り込んでいるのでしょうね。そしてショスタコーヴィチがこの詩から何を読み取ってこの歌曲集に取り上げようとしたのか?
冒頭の踊るようなピアノ伴奏に乗せて若い恋人の心のさざなみが描写されますが、やがて安らぎに満ちた静かな音楽となって消えて行きます。非常に短い曲ですが風が吹き過ぎて行くような鮮烈な表情と共にたいへん印象に残る作品です。
( 2008.08.30 藤井宏行 )