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Noch’   Op.60-9  
  12 Romansov
夜  
     12のロマンス

詩: ポロンスキー (Yakov Petrovich Polonsky,1819-1898) ロシア
      Ночь

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Otchego ja ljublju tebja,svetlaja noch’?
Tak ljublju,chto,stradaja,ljubujus’ toboj!
I za chto ja ljublju tebja,tikhaja noch’?
Ty ne mne,ty drugim posylaesh’ pokoj!

Chto mne zvezdy,luna,nebosklon,oblaka,
etot svet,chto,skol’zja na kholodnyj granit,
prevrashchaet v almazy rosinki tsvetka
i,kak put’ zolotoj,cherez more bezhit!

Noch’,za chto mne ljubit’ tvoj serebrjanyj svet?
Usladit li on gorech’ skryvaemykh slez?
Dast li zhadnomu serdtsu zhelannyj otvet,
razreshit li somnenij tjazhelyj vopros?

Sam ne znaju,za chto ja ljublju tebja,noch’,
tak ljublju,chto,stradaja,ljubujus’ toboj!
Sam ne znaju,za chto ja ljublju tebja,noch’...
Ottogo,mozhet byt’,chto dalek moj pokoj.

どうして私はお前を愛するのだろう、明るい夜よ?
愛するあまりに、苦しめられてもなお愛している
何のために私はお前を愛するのだろう、静かな夜よ?
私には何も与えてくれず、他の人々にお前は安息を与えるというのに!

私にとって星たちは、月は、空は、雲は何だというのだ
そしてこの光、冷たいグラナイトを輝かせる光は
花の上の露をダイヤモンドへと変え
金色の道を通って海へと至るのだ

夜よ、なぜ私はお前の銀の光を愛さねばならぬのか?
それがこの隠された苦い涙を喜びに変えるというのか?
それがこの貪欲な心に求める答えを与えるというのか?
それが疑いによってもたらされた重たい問いを解決するというのか?

私には分からぬ なぜお前を愛するのかが、夜よ
愛するあまりに、苦しめられてもなお愛しているのに
私には分からぬ なぜお前を愛するのかが、夜よ
おそらく 私の安息がはるか彼方にあるからなのだろう


こちらも第6曲「狂おしき夜」同様、苦悩と悲しみの夜です。詩はかなり哲学的に難解なところもありますが、歌は非常に分かりやすいメロディ。揺れ動く心を見事に捉えてたいへんに聴き応えがあります。この曲は私も傑作と認めるのにやぶさかではありません(好みの曲ではありませんけれども)。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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