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Solovej   Op.60-4  
  12 Romansov
ナイチンゲール  
     12のロマンス

詩: プーシキン (Aleksandr Sergeyevich Pushkin,1799-1837) ロシア
      Соловей

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Solovej moj,solovejko! Ptitsa malaja,lesnaja!
U tebja l’,u maloj ptitsy,nezamennye tri pesni,
u menja li,u molodtsa,tri velikie zaboty!
Kak uzh pervaja zabota: rano molodtsa zhenili;
a vtoraja-to zabota: voron kon’ moj pritomilsja;
kak uzh tret’ja-to zabota: krasnu devitsu
so mnoju razluchili zlye ljudi.
Vykopajte mne mogilu vo pole shirokom,
v golovakh mne posadite aly tsvetiki-tsvetochki,
a v nogakh mne provedite chistu vodu kljuchevuju.
Projdut mimo krasny devki,tak spletut sebe venochki:
projdut mimo stary ljudi,tak vody sebe zacherpnut.

私のナイチンゲールよ、ナイチンゲール! 小さな鳥、森の鳥!
お前には、小さな鳥よ、変わらぬ三つの歌がある
そしてこの僕、若者、には三つの悩みがある!
最初の悩みは:この若者があまりに早く結婚したこと、
そして二番目は:僕の栗毛の馬が疲れ切っていること
三番目は、あの可愛い娘が
悪人たちによって僕から引き離されていることだ
僕は自分の墓穴を広い野原に掘ろう
枕元には赤い花を植えよう
そして足元には、きれいな水を流すのだ
可愛い娘たちが通りかかったならば、花輪を編ませてあげよう
年老いた人たちが通りかかったならば、水を飲ませてあげよう


チャイコフスキーは他のロシア作曲家がそれこそ山のようにプーシキンの詩に曲を付けたのに比べると、初期の習作で1曲あるほかは(「ゼムフィールの歌」)、唯一この曲にのみプーシキンの詩を歌曲にしているだけというのが非常に興味深いです(オペラではあの傑作「エフゲニー・オネーギン」がプーシキン作の戯曲をもとにしていますが)。しかもこの詩はプーシキンオリジナルではなく、セルビアの民謡詩をプーシキンが翻訳したものということのようなので、詩も音楽もどこか民謡調です。またナイチンゲールの歌というとソプラノが軽やかに歌うものと相場が決まっている感がありますが、この歌はナイチンゲールへの呼びかけの歌ということで、主にバス歌手のレパートリーです。ロシア歌曲を歌うバス歌手はたいてい録音をしている感がありますし(あの歴史的バス歌手、フェドール・シャリアピンの録音もあります)、そのいずれもが名唱です。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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