Kukushka Op.54-8 16 Pesni dlja detej |
カッコウ 16の子供のための歌 |
“Ty priletel iz goroda,- kakie,skazhi,tam slukhi nosjatsja o nas?” (Skvortsa kukushka sprashivala raz). “Chto zhiteli tolkujut gorodskie khot’ naprimer,o pesnjakh solov’ja? Interesujus’ etim ochen’ ja.” “Ves’ gorod on privodit v voskhishchen’e, kogda v sadu ego razdastsja trel’.” “A zhavronok?” “I zhavoronka pen’e plenjaet ochen’ mnogikh.” “Neuzhel’? Nu,a kakov ikh otzyv o drozde?” “Da khvaljat i ego,khot’ ne vezde.” “Eshche khochu sprosit’ ja,- mozhet stat’sja, i obo mne ty slyshal koe-chto?” “Vot pro tebja,sestritsa,tak priznat’sja, ne govorit reshitel’no nikto!” “A! esli tak,- kukushka vozopila,- to o sebe,chto ljudjam otometit’, sama ves’ vek,pokuda khvatit sily, ne perestanu ja tverdit’: kuku,kuku,kuku,kuku,kuku...!” |
「あんたは町からやって来てんだから教えてよ 町の人があたしらのことをなんていってるかをさあ?」 (カッコウはある日ムクドリにたずねた) 「町に住む人たちは何て言ってるのさ 例えばさあ、ナイチンゲールの歌声のことを? あたしそういうのにとっても興味あるんだよ」 「そりゃあ町中大喜びさ そいつが庭でさえずろうもんなら」 「それじゃヒバリは?」 「ヒバリの歌もね たくさんの人が好いてるよ」 「ほんとかい?」 「それじゃツグミのことはどうだい?」 「町の人はほめてるよ、誰でもってわけじゃないけどね」 「それから聞きたいのはね たぶん あんたは町の人があたしのことどういってるかも聞いてるよね?」 「実のところね、兄弟よ、あんたのことはさあ だれもひとっ言も言ってないんだよ」 「ああ!何だって カッコウは叫んだ そんな町のやつらにゃ仕返ししてやるよ 生きてる限り、出せるだけ力強い声で 何度も何度も繰り返し鳴き続けてやるさ カッコー カッコー カッコー カッコー!」 |
子供のための16の歌から第8曲です。カッコウの鳴き声を織り込んだ素朴この上ない音楽もいいのですが、歌詞がなかなか面白かったので取り上げてみることにしました。詩の内容には解説は要りませんね。これはもともと18世紀のC.F.ゲレルトという人の寓話をプレシチェーエフがロシア語に訳したものにつけているのだそうです。原詩は見つかりませんでしたが、まあ内容的にも探すほどのことはないでしょうか。
このユーモアと曲想の面白さからか、この作品54の中では比較的取り上げられることも多い曲のような気もします。おどけた会話を下品にならないようにユーモラスに、そして最後にしつこいほど嫌がらせの「カッコー」の鳴き声を繰り返すところが聴かせどころでしょうか。こういうのはクリストフなど昔の芸達者な歌手のものを是非に聴いてみたいと思うのですが、残念なことにそれはまだ果たせていません。
( 2008.08.01 藤井宏行 )