Na zemlju sumrak pal Op.47-3 7 Romansov |
夕暮れが地上に降りてくる 7つのロマンス |
Na zemlju sumrak pal; ne shelokhnut kusty; Svernulis’ lilii poblekshie listy, I tikho ozero pochilo. Pod obajaniem volshebnoj krasoty, Stoju zadumavshis’: CHto grusten nynche ty, I vse krugom tebja unylo? Poutru prikhozhu: ozhivlena rosoj, Prosnulas’ lilija,blistaja krasotoj I milaja,v blistajushchej odezhde. S ulybkoju privet na nebo shlet ona. I pleshchet v ozere veselaja volna... A ja! Ja... mne grustno! Mne grustno,kak i prezhde! |
夕闇が地上に降りてくる、茂みももうざわめきはしない ユリの花たちもその色あせた花びらをたたみ そして湖もしずかに眠りにつく この魅惑的な愛らしさの魔法の中で 私は物思いに耽り佇む「なぜ今日のお前は悲しそうなんだ そしてお前のまわりのすべても沈んでいるんだ?」 朝来れば 露で生き生きとし 目覚めたユリは美しさに輝きながら そして愛らしく 輝く服を着て 微笑みながら天へとあいさつを送る そして湖でも陽気に波がさざめいている ところで私は!私は憂鬱だ 私は憂鬱なままだ 昨夜と変わらず! |
ポーランドの大詩人、アダム・ミツキィェーヴィチの詩のロシア語訳は、グリンカをはじめとしたロシアの作曲家によく取り上げられています。チャイコフスキーでもこの曲のほかにもOp.27-6のお茶目なマズルカ風の音楽がありますが、こちらはもう少ししっとりとしています。ミツキィェーヴィチの詩集「ペトラルカのソネット」中の詩だそうですが、このロシア語詞はソネットの形ではないですね。訳者のニコライ・ベルグはポーランド在住のロシア人(恐らくはドイツ系でしょうか)、この詩は彼のかなり自由な翻案のようです。抒情的で流麗なメロディが溢れている彼の中期の傑作Op.47の中にあっては少々目立たないですが、この曲も大変美しい作品です。
( 2008.08.01 藤井宏行 )