Kanarejka Op.25-4 6 Romansov |
カナリア 6つのロマンス |
Govorit sultansha kanarejke: “Ptichka! luchshe v tereme vysokom Shebetat’ i pesni pet’ Zjulejke, Chem porkhat’ na Zapade dalekom? Spoj zhe,spoj zhe mne pro zamore,pevichka, Spoj zhe,spoj zhe mne pro Zapad,neposedka! Est’ li tam takoe nebo,ptichka, Est’ li tam takoj garem i kletka? U kogo tam stol’ko roz byvalo? U kogo iz shakhov est’ Zjulejka - I podnjat’ li tak ej pokryvalo?” Ej v otvet shchebechet kanarejka: “Ne prosi s menja zamorskikh pesen, Ne budi toski moej bez nuzhdy: Tvoj garem no nashim pesnjam tesen, I slova ikh odaliskam chuzhdy... Ty v lenivoj dreme rastsvetala, Kak i vsja krugom tebja priroda, I ne znaesh’-dazhe ne slykhala, Chto u pesni est’ sestra-svoboda.” |
サルタンの妃はカナリヤに言います 「小さな鳥よ ここでさえずるのが幸せであろうぞ この立派な御殿の中でズライカのために歌うことこそが 遠い西の国で飛び回るよりもずっと? 歌っておくれ 歌っておくれ わらわに海の向こうのことを 歌姫や 歌っておくれ 歌っておくれ わらわにかの西国のことを あそこにもこんな空があるのかや 小鳥よ? あそこにもこんなハレムと鳥籠があるのかや? そこでは誰がかほど多くのバラを持っていたのかや? そこではいかなる王がズライカを囲っていて そして彼女は我がごとく慈しまれ 寵愛されていたのかや?」 これに答えてカナリヤはさえずります 「海の向こうの歌を私にせがまないでください 私の悲しみを無駄に呼び起こさないでください あなたのハレムは私たちの歌には狭すぎます その言葉もハレムの女たちには通じません あなたは怠惰な眠りの中で咲きました あなたのまわりのすべての自然と同じに だからあなたは知らない 聞いたことさえありません 歌は自由の姉妹を持っていることを」 |
いかにもという感じのアラビア風のメロディが繰り返し繰り返し現れてきます。かなりキッチュなところもあってチャイコフスキーにしては少々異色な感じもしないことはないですが、結構美しくて印象に残るメロディです。舞台はトルコの王宮でしょうか。ズライカという名前が出てくるところを見ると、このレフ・メイの詩もバイロンの物語詩、アバイドスの花嫁(The Bride of Abydos)のヒロイン・ズライカを意識しているのでしょう。
女声ではないのですが、ボリス・クリストフの歌うこの歌が圧倒的な迫力です。
( 2008.08.01 藤井宏行 )