Zabyt’ tak skoro |
そんなにすぐに忘れるなんて |
Zabyt’ tak skoro,bozhe moj, Vse schast’e zhizni prozhitoj! Vse nashi vstrechi,razgovory, Zabyt’ tak skoro,zabyt’ tak skoro! Zabyt’ volnen’ja pervykh dnej, Svidan’ja chas v teni vetvej! Ochej nemye razgovory, Zabyt’ tak skoro,zabyt’ tak skoro! Zabyt’,kak polnaja luna Na nas gljadela iz okna, Kak kolykhalas’ tikho shtora... Zabyt’ tak skoro,zabyt’ tak skoro,tak skoro! Zabyt’ ljubov’,zabyt’ mechty, Zabyt’ te kljatvy pomnish’ ty,pomnish’ ty,pomnish’ ty? V nochnuju pasmurnuju poru,v nochnuju pasmurnuju poru, Zabyt’ tak skoro,zabyt’ tak skoro! Bozhe moj! |
そんなにすぐに忘れるなんて、ああ神さま 一緒に暮らした幸せのすべてを わたしたちのデートを、会話をみんな そんなにすぐに忘れるなんて、そんなにすぐに忘れるなんて! 初めての頃のときめきを忘れるなんて 木陰でのランデブーのことを! 瞳が交わす無言の会話を そんなにすぐに忘れるなんて、そんなにすぐに忘れるなんて! 満月のときを忘れるなんて 私たちが窓から見上げた月を カーテンが静かにゆれていたのを そんなにすぐに忘れるなんて、そんなにすぐに忘れるなんて! 愛を忘れるなんて、夢を忘れるなんて あの誓いを忘れるなんて、覚えてるでしょ、覚えてるでしょ、覚えてるでしょ? それは曇った夜のことだった、それは曇った夜のことだった そんなにすぐに忘れるなんて、そんなにすぐに忘れるなんて! ああ神さま! |
これは作品番号のついていない歌曲ですが(1870年作曲)、けっこう人気があるようでかなり頻繁に耳にすることができます。詩は作曲者の友人だったことでも知られるアレクセイ・アフーチン、あまり凄みのある詩ではないですが歌の詞としては実に味のあるものを書く人で、実際チャイコフスキーだけでなく多くのロシアの作曲家の歌曲の中にも、彼の書いた詞による名曲がいくつもあります。
ここではなくした恋を嘆く歌。ただ悲しみが溢れるというよりは呆然として途方に暮れている、といった感じの歌になっています。個人的にはそれほど印象的な曲でもないのですが、歌詞がなんとなく面白いので訳してみました。有名な曲ということもありますし。
( 2008.08.01 藤井宏行 )