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Pesnja zjulejki   Op.26-4  
  Chetyre romansa
ズライカの歌  
     4つのロマンス

詩: コリツォーフ (Aleksei Vasilievich Koltsov,1808-1842) ロシア
      Turkish tale 原詩: Lord Byron バイロン,The Bride of Abydos

曲: リムスキー=コルサコフ (Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov,1844-1908) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Ljubovnik rozy-solovej
prislal tebe tsvetok svoj milyj:
on budet pesneju svoej
vsju noch’ plenjat’ tvoj dukh unylyj.

On ljubit pet’ v tishi nochej,
i dyshit pesn’ ego toskoju;
No,obnadezhennyj mechtoju,
spoet on pesnju veselej.

I s dumoj tajnoju moej
tebja kosnetsja pen’ja sladost’
i napoet na serdtse radost’
ljubovni rozy-solovej.

バラに恋したナイチンゲールは
お前に愛する花を贈り届けた
やつは歌い続けるだろう
一晩中お前の寂しい心を魅惑しようと

鳥は夜の静けさの中で歌うのが好きなのだ
そしてその歌は悲しみに息づく
だが 夢に触発されて
もっと陽気な歌を歌うだろう

そして私の秘めた心から
お前は甘美な歌に触れる
そして心に喜びを歌いかけるのだ
バラに恋したナイチンゲールは


バイロンの物語詩「アバイドスの花嫁 The Bride of Abydos (1813)」の中の詩「トルコの物語 Turkish tale」を下敷きにイワン・コズロフが書いた詩に付けた曲です。
バイロンの詩とはかなり趣きが違うようにも感じられますが、これはこれでなかなか味わいのある詞です。ズライカというのはこの物語のヒロイン、トルコの大公ギアフィールの一人娘で、兄(と思っていた)セリムに恋心を寄せ、親の勧める結婚に逆らって彼に会います。そのあたりのシチュエーションをこのバラとナイチンゲールの恋物語になぞらえているのでしょうか。
音楽の方はリムスキー=コルサコフにしてはかなりシューマン風のつくりでかなり珍しいスタイルです。もっともロシア語で歌われるので結局ロシアン・ロマンスの雰囲気が濃厚に出て参りますけれども。
意外と聴ける録音がないのが残念です。ボリス・クリストフのロシア歌曲集(EMI)には収録されていて、深い味わいにみちた名唱ではありましたが、これは女声で聴いてみたい曲のひとつです。

バイロンの原詩はEmily EzustのLied Textページによれば次のようなものだそうです。かなりコリツォフのものとは内容が違い、こちらは歌物語のテーマをいくつも織り込んでいます。コリツォフの方はそれらをそぎ落としてバラとナイチンゲールにより強くスポットを当てていますので、これはロシア語訳ではなく翻案になるでしょうか。

Turkish tale

 This rose to calm my brother's cares
 a message from the Bulbul bears;
 It says to-night he will prolong
 For Selim's ear his sweetest song;
 And though his note is somewhat sad,
 He'll try for once a strain more glad,
 With some faint hope his alter'd lay

 May sing these gloomy thoughts away.

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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