Evrejskaja pesnja Op.7-2 Chetyre romansa |
ヘブライの歌 4つのロマンス |
Splju,no serdtse moe chutkoe ne spit. Za dverjami golos milogo zvuchit: Otvori,moja nevesta,otvori! Dogorelo plamja aloe zari, nad lugami,nad shelkovymi, brodit belaja rosa, i slezinkami perlovymi mne smochila volosa, skhodit s neba noch’ prokhladnaja... Otvori mne,nenagljadnaja! |
眠るのだ、だが我が心は眠ろうとはせぬ 扉の向こうに素敵な声が聞こえるがゆえに 開くがよい、我が愛しき人よ、開くがよい! 夜明けの光の炎が照らしている 草地の上を、絹の上を 白い露が漂う そして真珠の粒のように 私の髪を濡らしたのだ 冷たいこの夜空の下で 開くがよい、我が愛しき人よ! |
ロシアの詩人レフ・メイが書いたこの詩、恐らく旧約聖書の中にある「雅歌」を脚色しているのでしょう。詩は違いますが同じメイの同じく雅歌をモチーフにしている詩をムソルグスキーが歌曲にしたものもあって、こちらの歌の方も「ヘブライの歌」というタイトルがついています。ムソルグスキーの方は聖書の原典は見つけられましたがこちらは突き止められず。ただ聖書の雅歌というのが聖典には考えられないような艶めかしい恋の歌ばかりを取り上げていますので、ここでの歌もかなり激しい恋の歌となりました。リムスキー=コルサコフお得意のエキゾチックなメロディはここで水を得た魚のように生き生きと響きます。ちょっとやりすぎなんではと思わなくもありませんが、やはりこれくらい徹底してアラビア風にすることでこの歌がとても魅力的になったのは否めないところがあります。
( 2008.08.01 藤井宏行 )