TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Poputnaja pesnja    
  Proshchanije S. Peterburgom
旅の歌  
     ペテルスブルグよさようなら

詩: クーコリニク (Nestor Vasil'yevich Kukol'nik,1809-1868) ロシア
      Попутная песня

曲: グリンカ (Michael Glinka,1804-1857) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Dym stolbom kipit,dymitsja parokhod!
Pestrota,razgul,volnen’e,ozhidan’e,neterpen’e!
Veselitsja i likuet ves’ narod.
I bystree,shibche voli poezd mchitsja v chistom pole.

Net,tajnaja duma bystree letit,
I serdtse mgnoven’ja schitaja stuchit.
Kovarnye dumy mel’kajut dorogoj,
I shepchesh’ nevol’no:
Kak dolgo,kak dolgo?

Dym stolbom kipit,dymitsja parokhod!
Pestrota,razgul,volnen’e,ozhidan’e,neterpen’e!
Veselitsja i likuet ves’ narod.
I bystree,shibche voli poezd mchitsja v chistom pole.

Ne vozdukh,ne zelen’ stradal’tsa manjat.
Tam jasnye ochi tak jarko gorjat.
Tak polnyj blazhenstva minuty svidan’ja,
Tak sladki nadezhdoj chasy rasstavan’ja.

Dym stolbom kipit,dymitsja parokhod!
Pestrota,razgul,volnen’e,ozhidan’e,neterpen’e!
Veselitsja i likuet ves’ narod.
I bystree,shibche voli poezd mchitsja v chistom pole.

煙は煙突より噴き上げる 煙を吐く汽車だ!
色めき立ち、ざわめき、興奮し、期待し、歓喜する!
喜び、歓呼する多くの人々
一層速く、速く、汽車は何もない原野を駆ける

いや、秘めた想いはもっと速く飛んでいく
心臓はドキドキと鼓動を打ち
道すがら良からぬ考えが頭をもたげる
そして思わず口をつく
どれだけ遠いの、どれだけ遠いの?と

煙は煙突より噴き上げる 煙を吐く汽車だ!
色めき立ち、ざわめき、興奮し、期待し、歓喜する!
喜び、歓呼する多くの人々
一層速く、速く、汽車は何もない原野を駆ける

空気ではないし、緑でもないのだ、苦しむ者を呼んでいるのは
それは激しく燃えているきれいな瞳
それに出会うときは完璧な幸福が得られ
それから別れるときさえも希望はとても甘いのだ

煙は煙突より噴き上げる 煙を吐く汽車だ!
色めき立ち、ざわめき、興奮し、期待し、歓喜する!
喜び、歓呼する多くの人々
一層速く、速く、汽車は何もない原野を駆ける


グリンカの歌曲集「ペテルスブルグよさようなら」から第5曲。当時サンクトペテルスブルグに初めて引かれた鉄道に乗って旅する人たちの描写です。煙を吐いて突き進む汽車の描写が歯切れの良いピアノ伴奏とこれもまた歯切れの良い歌声で実に見事に描写されています。この早口のロシア語歌詞はネイティブの歌手でもうまく歌うのは難しそうです。
まだ蒸気機関車も珍しかった時代、この歌に表現されているような汽車の爆走音は非常に新鮮だったのではないかと思います。
この爆走する部分と、それから間に挟まれた抒情的に思いにふける部分とがABABAのロンド形式に繰り返されて歌われます。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ