Romans iz poemy “David Richio” Proshchanije S. Peterburgom |
ロマンス 「デヴィッド・リッツィオ」から ペテルスブルグよさようなら |
Kto ona i gde ona, nebesam odnim izvestno, no dusha uvlechena neznakomkoju chudesnoj. Veter znaet,kto ona, oblaka ee vidali, kak nad nej izdaleka legkoj ten’ju probegali. Solov’i pojut o nej, zvezdy jarkie blistajut vzorami ee ochej, no ee ne nazyvajut. Verju,znaju: den’ pridet, serdtse radost’ju smutitsja, devu tajnuju najdet, i mechta osushchestvitsja. |
彼女が誰で どこの人だか 神様だけが知っている わが魂は魅了された あの美しき見知らぬ人に 風は誰だか知っているだろう 雲もあの人に会ってるだろう 彼女の上を雲は追い続け 光は翳ってしまうのだ ナイチンゲールは彼女のことを歌うだろう 星はきらめいているだろう あの人の瞳のきらめきのように だが星たちは彼女と呼ばれることはない 私は信じる、私は知ってる、その日がくることを 我が心が喜びで高鳴る日が あの神秘の女性を見つけられる日が きっと夢は実現するのだ |
グリンカの歌曲集「ペテルスブルグよさようなら」、冒頭の曲は朗々と恋心を歌うロマンス。非常に美しい抒情が心地よく、レイフェルクスなどのバスによって歌われると大変に映えます。David Riccio(Rizzio)は16世紀のイタリア生まれの廷臣、スコットランド女王メリー・スチュアートとねんごろだったために1566年に暗殺されます。メリーの物語は色々と脚色されて後世の関心を広く引いていましたから、クコリニクもまた歴史物語として取り上げたのでしょう。この詩がこの物語の中で誰によってどのようなシチュエーションで歌われたのかまでは調べられませんでしたが、たぶんリッツィオ自身のモノローグなのではないかと思います。
( 2008.08.01 藤井宏行 )