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Romans iz poemy “David Richio”    
  Proshchanije S. Peterburgom
ロマンス 「デヴィッド・リッツィオ」から  
     ペテルスブルグよさようなら

詩: クーコリニク (Nestor Vasil'yevich Kukol'nik,1809-1868) ロシア
      Романс из поэмы “Давид Ричио”

曲: グリンカ (Michael Glinka,1804-1857) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Kto ona i gde ona,
nebesam odnim izvestno,
no dusha uvlechena
neznakomkoju chudesnoj.

Veter znaet,kto ona,
oblaka ee vidali,
kak nad nej izdaleka
legkoj ten’ju probegali.

Solov’i pojut o nej,
zvezdy jarkie blistajut
vzorami ee ochej,
no ee ne nazyvajut.

Verju,znaju: den’ pridet,
serdtse radost’ju smutitsja,
devu tajnuju najdet,
i mechta osushchestvitsja.

彼女が誰で どこの人だか
神様だけが知っている
わが魂は魅了された
あの美しき見知らぬ人に

風は誰だか知っているだろう
雲もあの人に会ってるだろう
彼女の上を雲は追い続け
光は翳ってしまうのだ

ナイチンゲールは彼女のことを歌うだろう
星はきらめいているだろう
あの人の瞳のきらめきのように
だが星たちは彼女と呼ばれることはない

私は信じる、私は知ってる、その日がくることを
我が心が喜びで高鳴る日が
あの神秘の女性を見つけられる日が
きっと夢は実現するのだ


グリンカの歌曲集「ペテルスブルグよさようなら」、冒頭の曲は朗々と恋心を歌うロマンス。非常に美しい抒情が心地よく、レイフェルクスなどのバスによって歌われると大変に映えます。David Riccio(Rizzio)は16世紀のイタリア生まれの廷臣、スコットランド女王メリー・スチュアートとねんごろだったために1566年に暗殺されます。メリーの物語は色々と脚色されて後世の関心を広く引いていましたから、クコリニクもまた歴史物語として取り上げたのでしょう。この詩がこの物語の中で誰によってどのようなシチュエーションで歌われたのかまでは調べられませんでしたが、たぶんリッツィオ自身のモノローグなのではないかと思います。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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