Muzyka Op.34-8 Chetyrnadtsat’ romansov |
音楽 14のロマンス |
I plyvut,i rastut,eti chudnye zvuki! Zakhvatila menja ikh volna... Podnjalas’,podnjala i nevedomoj muki I blazhenstva polna... I bozhestvennyj lik,na mgnoven’e Neulovimoj sverknuv krasotoj, Vsplyl,kak zhivoe viden’e Nad etoj vozdushnoj,kristal’noj volnoj, I otrazilsja, I pokachnulsja, Ne to ulybnulsja... Ne to proslezilsja... |
流れ 広がっていく すばらしい調べ! その響きの波が私をとらえる それは高まり 高まって未知の苦しみと そして喜びに満たされる そして神々しい顔が一瞬 束の間の美しさで閃き 現実の姿となって立ち現われた この空気のような、結晶する波の上に 顔がそこに反映しながら そして揺れ動いた 微笑むでもなく 涙を流すでもなく |
ヴィシネフスカヤの歌うDG録音に含まれているのが大変に印象的な歌唱だったので興味を持っていたのですが、なかなか取り上げられる録音も他に多くはなく、また訳詞を参照できる資料も見つからなかったことから、このCDに取り上げられた「ヴォカリーズ」を除くラフマニノフ歌曲の中では最後のご紹介になりました。
詩のポロンスキーはチャイコフスキーと関係の深い人で、彼の作品60の歌曲集を中心にたくさんの歌詞を提供している人です。そしてこのラフマニノフ作品に取り上げられている詩にはその副題に「P.I.チャイコフスキーに」とあり、ここに表現されている音楽とはまさにチャイコフスキーの音楽をイメージしているのですね。ラフマニノフにとってもチャイコフスキーは尊敬すべき大先輩であり、その気持ちがこの詩を選び、そして歌曲にした原動力なのでしょう。
( 2008.08.01 藤井宏行 )