K detjam Op.26-7 Pjatnadtsat’ romansov |
子供たちに 15のロマンス |
Byvalo,v glubokij polunochnyj chas, Maljutki,pridu ljubovat’sja na vas; Byvalo,ljublju vas krestom znamenat’, Molit’sja,da budet na vas blagodat’, Ljubov’ Vsederzhitelja Boga. Sterech’ umilenno vash detskij pokoj, Podumat’,o tom,kak vy chisty dushoj, Nadejat’sja dolgikh i schastlivykh dnej Dlja vas,bezzabotnykh i milykh detej, Kak sladko,kak radostno bylo! Teper’ prikhozhu ja. Vezde temnota, Net v komnate zhizni,krovatka pusta, V lampade pogas pred ikonoju svet... Mne grustno,maljutok moikh uzhe net! I serdtse tak bol’no sozhmetsja! O,deti! V glubokij polunochnyj chas, Molites’ o tom,kto molilsja o vas, O tom,kto ljubil vas krestom znamenat’; Molites’,da budet i s nim blagodat’, Ljubov’ Vsederzhitelja Boga. |
かつて、夜も更けて真夜中の頃 子供たちよ、お前たちを慈しみに来たものだった お前たちに十字を切って 祈り、そして祝福を与えた 全能の神の愛を 子どもたちの安らぐ姿を心から見守り どれだけお前たちの魂が清らかであるかを考えた 長く幸せな日々を願っていた お前たち、悩みなき可愛い子供たちのために この喜びに勝るものはなかったのだ 今私がやってきても どこも真っ暗闇だ 生気のない部屋 揺りかごは空っぽ 聖像の前の灯火も消えてしまった 私は悲しい、私の子供たちはもういないのだ 心は激しく痛む おお、子供たちよ、この深い真夜中に 祈っておくれ お前たちことを祈ってくれた者のために お前たちのために十字を切ってくれた人のために 祈っておくれ、そうだ、その人にも恩寵があるだろう 全能の神の愛がきっと |
この曲はラフマニノフ歌曲の中でもさほど多く取り上げられる曲ではないかも知れません。しかし私にとっては非常に心に残る曲でしたので他のもっと知られた曲を差し置いてでもここでは取り上げさせて頂こうと思います。
真夜中に眠っている子供たちにそっとお休みを言う父親、安らぎに満ちたその旋律は有名な「わが子よお前は花のように」を思わせるような穏やかで美しいもの。しかしその束の間の幸せはあっけなくも壊されてしまいます。普通ならば激しい慟哭となるところ、ここではぐっと抑えた悲しみが、亡くした子供たちへの、そして神様への静かな祈りとなって感動的です。
ニコライ・ゲッダの歌うラフマニノフ歌曲集の録音(EMI)で初めてこの曲を知ったのですが、その時から群を抜いて印象に残っています。
この演奏を除くと歌曲全集の録音でもない限り耳にすることはほとんどないかも知れませんが、機会があればぜひ耳にしてみてください。彼の知られざる傑作歌曲のひとつだと思いますので。
( 2008.08.01 藤井宏行 )