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Zdes’ khorosho   Op.21-7  
  Dvenadtsat’ romansov
ここは素敵  
     12のロマンス

詩: ガリーナ (Glafira Adol'fovna Galina,1873-1942) ロシア
      Здесь хорошо

曲: ラフマニノフ (Sergei Rachmaninov,1873-1943) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Zdes’ khorosho...
Vzgljani,vdali
Ognem gorit reka;
Tsvetnym kovrom luga legli,
Belejut oblaka.
Zdes’ net ljudej...
Zdes’ tishina...
Zdes’ tol’ko Bog da ja.
Tsvety,da staraja sosna,
Da ty,mechta moja!

ここは素敵
見て、向こうを
燃えるように輝く川と
色とりどりの草花のじゅうたん
白い雲
ここには誰もいない...
ここにあるのは静けさ
ここに神様と私だけ
花畑、古い松の木
そしてあなた、私の夢!


ロシア語の単語で日本でもよく知られているものはさほど多くはありませんが、ここで使われている「ハラショー(khorosho)」というのはそのひとつではないでしょうか。私は「素敵」と訳しましたが、けっこう色々なニュアンスを含んでいる言葉のようですので、もっと格調高く、あるいはもっとくだけて訳しても良かったかも知れません。この詩の宗教的な味わいを大切にするならば「こここそ善き処なり」とでも。あるいは音楽の心地良さに引き摺られるならば「ここってサイコー」なんていう感じになるでしょうか...
この曲も多くのラフマニノフ歌曲がそうであるようにピアノ伴奏が大変に雄弁であり、そのパワーで思い切り盛り上げられることのできる作品ではないかと思います。全体の表情は穏やかなのですが、パワフルな歌手とピアニストにかかると恐ろしく鮮烈な作品と化してしまいます。でもどちらかというと線の細いソプラノにやさしくささやくように歌ってもらうと限りなく素晴らしい演奏になるような気がします。その路線でとても素敵な歌をたくさん残してくれたイスラエルのソプラノ、ネタニア・ダヴラツの録音がないのが残念。
最近見つけたカナダのCBCレーベルにあるソプラノのヨアンナ・コロミエツ(名字からすると東欧系の人でしょうか)、あるいはChandosにあるイギリスのソプラノでロシアものがお得意のジョーン・ロジャースの歌などがなかなかに印象的でした。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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