Oni otvechali Op.21-4 Dvenadtsat’ romansov |
彼らは答えた 12のロマンス |
Sprosili oni: “Kak v letuchikh chelnakh Nam beloju chajkoj skol’zit’ na volnakh, Chtob nas storozha nedognali?” “Grebite!” oni otvechali. Sprosili oni: “Kak zabyt’,navsegda, Chto v mire judol’nom est’ bednost’,beda, Chto est’ v nem groza i pechali?” “Zasnite!” oni otvechali. Sprosili oni: “Kak krasavits privlech’ Bez chary: chtob sami na strastnuju rech’ Oni nam v ob”jatija pali?” “Ljubite!” oni otvechali. |
彼らはたずねた:「どうやってこの素早い舟で 白いカモメのように波の上を滑ればいいのだろう 見張りに追いつかれることなく?」 「漕ぐのよ」 彼らは答えた 彼らはたずねた:「どうやって永久に忘れられるのだろう このひどい世に貧困や不幸 悲劇や悲しみが溢れていることを?」 「眠るのよ」 彼らは答えた 彼らはたずねた:「どうやって美人たちを惹き付けられるのだろう 媚薬などなしで、彼女たちを情熱的な言葉で この腕に抱くことができるのだろう?」 「愛するのよ」 彼らは答えた |
ユゴーの書いたフランス詩の原題は「ギター」で、なぜこの内容でギターなのかはよく分かりませんけれども当時の作曲家たちには大変人気があり、ラロやビゼー、リストなど多くの作曲家に取り上げられている作品です。フランス語の原詩からの訳はラロのところに載せてありますのでご興味おありの方はご覧ください。
こちらのロシア語詩はこれまたロシア歌曲の歌詞ではおなじみのレフ・メイによるもの。ちょっと3番など原詩よりもどぎつくなっていますが、ラフマニノフの濃密な音楽と合わせて聴くと何となくうまくはまっているように思えるのが面白いところです。
( 2008.08.01 藤井宏行 )