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Poljubila ja na pechal’ svoju   Op.8-4  
  Shest' romansov
私は恋に落ちてしまった 悲しいことに  
     6つのロマンス 

詩: プレシチェーエフ (Aleksey Nikolayevich Pleshcheyev,1825-1893) ロシア
      Полюбила я,На печаль свою 原詩: Taras Hryhorovych Shevchenko シェフチェンコ

曲: ラフマニノフ (Sergei Rachmaninov,1873-1943) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Poljubila ja na pechal’ svoju
Sirotinushku bestalannogo.
Uzh takaja mne dolja vypala.
Razluchili nas ljudi sil’nye;
Uvezli ego,sdali v rekruty...

I soldatkoj ja,odinokoj ja,
Znat’ v chuzhoj izbe i sostarejus’.
Uzh takaja mne dolja vypala.

私は恋に落ちてしまった 悲しいことにあの
不幸なみなしごの男に
ああ、こんな運命が降りかかろうとは
力のある人たちが 私たちを引き離し
彼を兵士にしようと連れ去ってしまった

そして私は兵士の妻、私はひとりぼっち
よその人の家で 年老いていくのかしら
ああ、こんな運命が降りかかろうとは


ウクライナの大詩人、タラス・シェフチェンコの詩をアレクセイ・プレシチェーエフがロシア語訳したものに付けた歌です。権力者に良いように翻弄され、虐げられる者の悲しみを歌うという点でロシア民謡によくあるテーマの詩、そしてこれに曲を付けたラフマニノフも、実に民謡らしい朴訥なものに仕上げています。
多彩な彼の歌曲の中でもそういう訳で非常に主張が強いメロディとなりましたので、けっこう耳にする機会も多いです。
女性の哀しみを歌った歌ではありますが、ボリス・クリストフが歌ったものの凄絶な悲哀の表現がなんとも味わい深いものでありました。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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