U vrat obiteli svjatoj |
聖なる僧院の門の脇に |
U vrat obiteli svjatoj Stojal prosjashchij podajan’ja, Bessil’nyj,blednyj i khudoj Ot glada,zhazhdy i stradan’ja Kuska lish’ khleba on prosil, I vzor javljal zhivuju muku I kto-to kamen’ polozhil V ego protjanutuju ruku Tak ja molil tvoej ljubvi S slezami gor’kimi,s toskoju; Tak chuvstva luchshie moi Navek obmanuty toboju! |
聖なる僧院の門の脇に あわれな乞食が立っていた やつれ、青ざめ、やせ細っていた 飢えと、渇きと、苦しみで ほんのパンのひとかけらを乞うていた その目には生きる苦痛があった そのときだれかが小石を置いた 伸ばした彼の手のひらに そんな風にぼくも君の愛を乞うていた 苦い涙と共に、渇望と共に そんな風にぼくのたいせつな気持ちは 永遠にあざむかれていたんだ 君に! |
まだ10代のラフマニノフが書いた、作品番号のない最初期の歌曲です。詩はロシアの熱血詩人レールモントフのもので原題は「乞食 NISHCHII」。1830年頃に書かれたといいますから、詩人の方もまだ15・6歳のミドルティーンの時の作品ですがこの頃から既に熱い。ラフマニノフにとっても最初期の曲にも関わらず比較的良く取り上げられるように思います。彼の個性がさほど出ているようには私には思えないのですが、それでもそこかしこにハッとするような美しさに満ちた佳曲ではあります。
( 2008.08.01 藤井宏行 )