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Sleep is supposed to be    
  Twelve poems of Emily Dickinson
眠りはこう思われています  
     エミリー・ディキンソンの12の詩による歌曲

詩: ディキンソン (Emily Elizabeth Dickinson,1830-1886) アメリカ
      Sleep is supposed to be

曲: コープランド (Aaron Copland,1900-1990) アメリカ   歌詞言語: 英語


Sleep is supposed to be,
By souls of sanity,
The shutting of the eye.
Sleep is the station grand
Down which on either hand
The hosts of witness stand!
Morn is supposed to be,
By people of degree,
The breaking of the day.
Morning has not occurred!
That shall aurora be
East of Eternity;
One with the banner gay,
One in the red array,-
That is the break of day.

眠りはこう思われています
健全な魂によって
目を閉じることだと
眠りは巨大な停車場です
そのどちら側に行っても
大勢の目撃者が立っている!
朝はこう思われています
身分ある人たちによって
一日の始まりだと
朝は決してやってきていないのです!
それは黎明なのでしょう
――永遠の東方――
ひとつははなやかな旗で
ひとつは真っ赤な衣装-
それこそが一日の始まりなのです


これもまたあまりに難解で私としてはちんぷんかんぷんではあるのですが、半日くらいじっくりにらめっこの末、上記のような邦訳をでっちあげました。英文学に詳しい方にとっては笑止千万の訳なのかも知れませんが、ネット上を一生懸命探しても他の邦訳はないようですので恥ずかしながらアップすることにします。
この詩のテーマは「眠り」と「朝」。この歌曲集全体に見え隠れする「死と再生」のパズルの中にぴたりとはまっている感じです。やってくる朝の輝きへと至る盛り上がりは素晴らしく、詩の内容がさっぱり分からないにも関わらず私はこの歌曲集の中でこの曲を一番好みます。前奏部分のメロディは再び最終曲「馬車」で現れてきますので、やはり「死」と「眠り」とのつながりが暗に示されているのでしょうか。そして夜明けは死後の永遠の命に対比されているのでしょうかね。

( 2008.08.01 藤井宏行 )


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