Dear March,come in! Twelve poems of Emily Dickinson |
大好きな三月さん、お入りなさい! エミリー・ディキンソンの12の詩による歌曲 |
Dear March,come in! How glad I am! I looked for you before. Put down your hat - You must have walked - How out of breath you are! Dear March,how are you? And the rest? Did you leave Nature well? Oh,March, come right upstairs with me, I have so much to tell! I got your letter,and the bird's; The maples never knew That you were coming, -I declare,How red their faces grew! But,March,forgive me - And all those hills You left for me to hue, There was no purple suitable, You took it all with you. Who knocks? that April? Lock the door! I will not be pursued! He stayed away a year,to call When I am occupied. But trifles look so trivial As soon as you have come, And blame is just as dear as praise And praise as mere as blame. |
大好きな三月さん、お入りなさい! あたしとっても嬉しいわ 今まであなたを探していたの 帽子をお取りなさいよ- ずっと歩いてきたんでしょ- 息をきらしているじゃない! 大好きな三月さん、ご機嫌いかが? そして他のみんなは? あなた「自然」を元気にしておいたの? ああ、三月さん 一緒に二階に上がりましょうよ あたしお話したいことがたくさんあるの! あなたの手紙は届いてるわ、小鳥の手紙も カエデの木たちは知らなかったの あなたが来るなんて -だからほら、みんな赤い顔をしてるでしょ! だけど、三月さん、許してね- あそこの丘のことだけど あなたに色を付けるように頼まれてたのに ぴったりした紫色がなかったものだから あなたが持って行っちゃったものだから 誰 ノックするのは?四月さんなの? 鍵をかけて! 追いかけられたくない! 彼は一年間留守だったわ あたしが忙しいときには呼ぶんだから でも些細なことなんてどうでも良く思えてきた あなたが来てくれたとたんに 非難されるのも褒められたように嬉しいし 賞賛されるのも叱られるみたいにどうでもいい |
第2曲に引き続いてダイナミックな音楽が戻ってきます。そして第2曲同様ここで歌われているのは大自然の営みのこと。3月を久しぶりにやってきた友人のように擬人化していますが、ここで率直に歌われているのは春がやってきた喜びの爆発です。同じ春の喜びが、第8曲では深い思索の中に沈み込んでいくのと好対照をなしています。この歌曲集のもうひとつのテーマである「自然」を代表する曲として、冒頭2曲と並んで重要な位置付けの歌でしょう。
( 2008.08.01 藤井宏行 )