The world feels dusty Twelve poems of Emily Dickinson |
世界は味気なく感じられる エミリー・ディキンソンの12の詩による歌曲 |
The world feels dusty, when we stop to die... We want the dew then Honors taste dry... Flags vex a dying face But the least fan stirred by a friend's hand Cools like the rain Mine be the ministry when thy thirst comes... Dews of thyself to fetch and holy balms. |
世界は味気なく感じられる あたしたちが死に臨んで立ち止まるときには あたしたちは一滴の水を求め 栄光は苦い味がする... 旗は死に行く者の顔を煩わせるけれど ほんの小さな扇が 友の手によって扇がるのならば それは雨のように涼しい 私のすべきことは あなたが渇きを感じた時 あなた自身の露と 聖なる膏薬を取ってくること |
4曲目の詩は恐ろしく難解でほとんど意味不明とさえ私には感じられます。参照する邦訳も結局みつけることができず、もしかしなくてもとんでもない訳になってしまっている可能性もありますが私の試訳をUPします。詳しい方のコメントをお待ちしております。最後のフレーズはとりわけ意味不明ですが、ここは校訂をへて決定稿となったディキンソンの原詩ではDews of Thessaly,to fetch And Hybla balms(テッサリアの露とヒブラの香油)となっていますので単純な誤植(にしてはあまりに違いすぎていますけれど)なのでしょう。
この前の「どうしてあたしを天国から締め出そうとするの」の精神的な臨終の世界に対して、こちらは非常に身体的なイメージが強烈に伝わってきます。死の床での喘ぎが聞こえてくるようです。コープランドがこの2つの詩を選んで並べているのもそのあたりをかなり考え抜いているのでしょう。浅薄な私にはそれ以上に深く考えることはできませんでしたけれど...
静かな音楽がこの描写された世界の重たさを穏やかに語ります。
( 2008.08.01 藤井宏行 )