O Tuneful Voice XXVIa no.42 |
おお素晴らしい声よ |
O tuneful voice I still deplore, Thy accents,which I hear no more, Still vibrate on my heart. In Echo's cave I long to dwell And still to hear that sad farewell When we were forced to part. Bright eyes! O that the task were mine To guard the liquid fires that shine and round your orbits play, To watch them with a vestal's care, To feed with smiles a light so fair That it may ne'er decay. |
おお素晴らしい声よ、いまでも、私はあなたの言葉を 聞けないのがつらい。もう耳にすることはないのだ。 その言葉は、いまもなお、私の胸の上で震えている。 「こだま」の洞穴に身をおきたいと、 どんなに望んでいることか。 そこでなら、私たちが引き裂かれた時の、 あの悲しいさよならの声が いまでも私に聞こえるだろう。 あの晴れやかに輝く目よ。 おお、それが私の務めならどんなにいいだろう。 すんだ炎が輝き、貴方の目の周りで戯れるのを見守り、 ヴェスタの女神に仕える乙女の用心で監視することや、 美しい光に微笑みの糧を与え、 決して、火が絶えないようにすることが、 (ヴェスタの女神に仕える乙女:ヴェスタは古代ローマの女神で、彼女の神殿の聖火 を守るのは4人の処女であった) |
これは、ハイドンが最後にロンドンを去るときに詩の作者のアン・ハンターに贈った歌曲と言われています。考えると意味深長です。
ハイドンの歌曲の中では、有名なものでしょう。別れの歌なのですが、それほど深刻でなく、ハイドンらしいさっぱりしたあかるい音楽になっていて、詩と音楽がちょっとずれているという感じがしなくもないです。
これも、録音は
アメリングの全集(ピアノはデームス)
オーリン・オジェー(ピアノはオルベルツ)
のものしか聞いていませんが、この曲ではアメリングをとりたいと思います。
( 2003.09.01 稲傘武雄 )