My Native Land |
私の祖国 |
My native land now meets my eye, The old oaks raise their boughs on high, Violets greeting seem, Ah! 'tis a dream. And when in distant lands I roam, My heart will wander to my home; While these visions and fancies teem, Still let me dream. |
私の祖国が目の前にある 古いカシの木は太い枝を高く伸ばしている スミレが挨拶してくれるようだ ああ、それは夢だ 私が遠く離れた地をさまようときも 心はふるさとをさまようのだ そんな幻覚と幻想で一杯のときは 私にもっと夢を見せてくれ |
以前プレシチェーエフがロシア語に訳したこのハイネの詩につけたラフマニノフの有名な歌曲を取り上げましたが、この詩の英訳(だいぶハイネのドイツ語詩とは違っており、また訳者は不詳なようです。なお詩の作者を作曲者自身としている資料もありました)には、アメリカの異色作曲家チャールズ・アイブスが曲を付けています。けっこう音楽はくだんのラフマニノフの曲のような雰囲気でしたので、この詩に音楽を付ける時のイメージというのは誰でもかなり似通ってきてしまうのかなあ、とつまらないことに感心してしまいました。どうもアイブズがラフマニノフのこの曲を聴いてイメージを膨らませたというのが真相のような気もしますけれども。
オリジナルとはだいぶ違うのでハイネというのは言いすぎなようにも思えますが、一応ハイネの詩ということにしておきます。まあ歌っている精神は原詩とそうは違わないようでもありますし...
ハイネの原詩はラフマニノフのところにUPしていますのでこちらでご確認ください。
ジェニファー・ラーモアの歌ったアメリカ近代歌曲集の中に収録されています(Warner)
なお原詩はアイブスの作の可能性もありますので掲載を見合わせておりますが、Emily Ezustのページで見ることができます。
(2007.12.30)
戦時加算を考慮してもアイヴズの著作権 日本では切れたはずですので原詩を追加いたしました。
( 2016.02.13 藤井宏行 )