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There came a wind like a bugle    
  Twelve poems of Emily Dickinson
風がやってきた 信号ラッパみたいに  
     エミリー・ディキンソンの12の詩による歌曲

詩: ディキンソン (Emily Elizabeth Dickinson,1830-1886) アメリカ
      There came a wind like a bugle

曲: コープランド (Aaron Copland,1900-1990) アメリカ   歌詞言語: 英語


There came a wind like a bugle,
It quivered through the grass,
And a green chill upon the heat
So ominous did pass
We barred the window and the doors
As from an emerald ghost
The doom's electric moccasin
That very instant passed.
On a strange mob of planting trees,
And fences fled away,
And rivers where the houses ran
The living looked that day,
The bell within the steeple wild,
The flying tidings whirled.
How much can come
And much can go,
And yet abide the world!

風がやってきた 信号ラッパみたいに
草の間を通り抜けてふるえ
緑色の冷気は熱気の上にのしかかる
そうして不吉に通り過ぎる
あたしたちは窓やドアを締め切るの
このエメラルド色をしたお化け
不幸をもたらす電気蛇が入ってこないように
そいつはあっという間に通り過ぎる
植木の奇妙な集団の上を
そしてなぎ倒されたフェンスや
家々が流されてゆく川の上を
生きている人々はその日 じっと見つめる
尖塔の上の鐘は荒々しく
飛び交う便りは渦を巻いている
どれだけ来るのか
そしてどれだけ行くのか
それでも世界はなお 耐えている!


激しい嵐に対する恐れでしょうか。非常にインパクト溢れる音楽が爆発しています。穏やかな自然を描写した第1曲と対照的に、時に荒々しくもなる自然の一面を見事に描写していると思います。
暴風が蛇であるという比喩は少々ピンとこないところもありますが、面白い言葉の使い方が次々と出てきてなかなか興味深い詩です。特に“electric moccasin(電気の毒蛇)”という言い回しは面白いですね。稲妻のことを表しているという解釈もありましたが、私には何か得体の知れない不気味な風のことをこう呼んでいるように思えます。
これもピアノ伴奏よりはのちに作曲者自身が室内管弦楽伴奏に編曲したものの方が面白く聴けます。管弦楽曲「ロデオ」や「ビリー・ザ・キッド」を思わせる、いかにもコープランドのオーケストレーションといった感じの響きが印象的。

( 2007.12.30 藤井宏行 )


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