Serenata |
セレナーデ |
Come col capo sotto l'ala bianca. Dormon le palombelle innamorate, Così tu adagi la persona stanca, Sotto le coltri molli e ricamate. La testa bionda sul guancial riposa, lieta de' sogni suoi color de rosa, e tra le larve care al tuo sorriso, una ne passa che ti sfiora il viso. Passa e ti dice che bruciar le vene, Che sanguinare il cor per te mi sento. Passa e ti dice che ti voglio bene, Che sei la mia dolcezza e il mio tormento. Bianca tra un nimbo di capelli biondi, lieta sorridi ai sogni tuoi giocondi. Ah,non destarti,o fior di paradiso, ch'io vengo in sogno per baciarti in viso. |
頭をその白い翼に入れて 恋するハトが眠りにつくように おまえもゆったりとその疲れた体を 刺繍したやわらかな布の下に憩わせている ブロンドの髪の頭が枕の上で バラ色の夢で幸せそうだ おまえの微笑みの仮面の下で ひとつのまぼろしがお前の顔のまわりを通り過ぎるのだ 通り過ぎて お前に言うのだ 血管が燃えると 心がお前のために血にまみれていると 通り過ぎて お前に言うのだ お前を愛してると お前は私の喜びであり そして苦しみであると ブロンドの髪の間の白い輝き 幸せな頬笑みがおまえの楽しげな夢の中で ああ、目覚めないで、天国の花よ ぼくは夢の中へ行くよ おまえにくちづけするために |
オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」で有名なイタリアの作曲家マスカーニも素晴らしい歌曲をいくつも書いています。苦手なイタリア語のおかげで結局今まで取り上げることができず、たいへん心残りなのですが、最後に1曲、ちょっとひねりの効いたセレナードを取り上げましょう。非常に美しいメロディで歌われるのですが、この曲、普通のセレナーデと違って「ぼくが夢の中へ行くから目覚めないで」と、夜中に迷惑に人を起こす歌ではなくて、なんだか眠りに誘うような優しい歌になっているのです。
( 2007.12.20 藤井宏行 )