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Rosenlied   Op.50-6  
  6 Lieder
バラの歌  
     6つの歌

詩: リッター (Anna Ritter,1865-1921) ドイツ
      

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: ドイツ語


Wir senkten die Wurzeln in Moos und Gestein,
Wir wiegten die Schultern im rosigen Schein,
Wir tranken die Sonne,den Tau und das Licht,
Wir prangten in Schönheit und wussten es nicht.

Der Lenz strich vorüber und küsste uns leis,
Der Tag ward so still und die Nächte so heiss,
Der Wind sprach von Liebe manch' flüsterndes Wort,
Ein Schritt kam gegangen,ein Arm trug uns fort.

Wer hält unser Leben in zitternder Hand?
Es duftet und rieselt ein weißes Gewand
Wir sehn eine Brust,die Sehnsucht erregt,
Wir hören ein Herz,das in Leidenschaft schlägt.

Von Liebe gebrochen,zu Liebe gebracht,
Wir grüssen dich,Schwester,in schweigender Nacht.
Der Tag,der zu holderem Blühen dich ruft,
Er schenkt unsre Schönheit verwelkt in die Gruft.

私たちは自分の根を苔と石の中へ埋めたの
私たちは自分の肩をバラ色の光の中で揺らしていたの
私たちはお日様を、露を、光を飲み干したの
私たちは美しさをひけらかしていたの、それに気が付かぬままに

春は前を通り過ぎ、私たちにキスした
昼間はとても静かになり、夜はとても暑くなったの
風は愛のことを話してくれた たくさんのささやく言葉で
そこへ人の足音が、そして腕が私たちを持ち去ったの

誰が私たちの命を奪い取ったの その震える手で
白い服が香り こすれ合っている
私たちは見るわ あこがれで一杯になった胸を
私たちは聞くわ 情熱にあふれる心臓の鼓動を

愛のために折られて 愛のもとへと連れて行かれる
私たちはあなたに挨拶しましょ 妹よ この静かな夜に
その日がお前をより気高く咲くようにと呼び出すときには
色あせた私たちの美しさはお墓の中へと埋められるのよ


シベリウスのドイツ語の詩に付けた6曲からなる歌曲集の最後を飾る作品です。作詞のアンナ・リッターについては略歴などは不明ですが、非常に素朴な詩、そこにきらめくような高音のピアノ伴奏をつけたちょっぴりシャレた音楽をシベリウスはつけました。シベリウスの歌曲としてはかなり異色な雰囲気のする曲ですが、抒情歌を得意にする歌手が歌うとなかなかに魅力的です。歌曲全集の中でのゼーダーシュトレームの歌はいまひとつ彼女の資質に合わないように思えましたが、Finlandiaにあるシベリウス歌曲集でのヨルマ・ヒュンニネンの歌が絶品でした。

( 2007.12.18 藤井宏行 )


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